浜名湖底に堆積した化学物質の残存量　水生動植物を活用した水質浄化技術の開発（平成12年度〜平成14年度）

研究のねらい

浜名湖の底泥に堆積しているTBT（トリブチルスズ）､TPT（トリフェニルスズ）など外因性内分泌撹乱化学物質（環境ホルモン）10物質の残存量を年代ごとに把握することにより、化学物質汚染の経年変化を把握し、浜名湖環境の基礎データの収集をしました。

研究の成果

（１） 鉛-210およびセシウム-137を用いた堆積物の年代測定から、湖心底質の平均重量堆積速度は0.137(ｇ/cm2/年)、堆積速度は表層（0-2cm）で0.497cm/年と推定できました。
（２） TPT(検出下限値2.0μg/kg-dry)、エチルパラチオン(同20)、(α-、β-、γ-、δ-)ヘキサクロロシクロヘキサン(各々同10)の6物質は、全て検出下限値未満でした。
（３） 検出された化学物質はTBT（図１）、ノニルフェノール、ビスフェノールA、ベンゾ(a)ピレンの４物質であり、いずれの物質も現在減少傾向にあります。
（４） 使用禁止や排水処理規制などにより化学物質は減少したと考えられますが、これらの物質の環境基準は現在のところありません。今後も動向を見守る必要があると思われます。

	採取した浜名湖底の堆積物