カジメ・アラメ配偶体の培養技術の確立　沿岸植生改変研究（平成１１〜１３年）

研究のねらい

海中林を形成するカジメ・アラメ等の大型褐藻類の海藻群落が衰退・消失する『磯焼け』という現象は、沿岸の漁業や自然環境に大きな影響を与えています。
衰退した海中林を復元させる手段として播種・移植等が考えられ、そのために必要なカジメおよびアラメの配偶体を成熟させずに培養する技術の開発を目指しました。

研究の成果

配偶体の培養中に珪藻が混入し繁茂するとその生長を著しく阻害するため、二酸化ゲルマニウムを用いた処理、もしくはカジメ葉面の拭き取り処理を施すことによって珪藻の混入防止技術を開発しました。
　水温・光・培地それぞれの条件を調節し、超音波で配偶体を破砕することにより、成熟させることなく配偶体の培養が可能となり、人工的に培養した配偶体から正常な成体に生育することも確認しました。
　本研究で開発された一連の技術により、カジメ・アラメ配偶体の培養技術を確立しました。