研究成果の紹介 ヒラメの種苗放流
ヒラメの種苗放流
研究のねらい
ヒラメは生産量では沿岸漁業全体の約0.2%とごくわずかであるが、高魚価のためにその生産金額は沿岸漁業全体の約1.7%を占め、沿岸漁業の重要な魚種になっている。一方,近年の種苗生産技術の進展に伴って、ヒラメ種苗の安定生産が可能になってきている。そこで、種苗放流に伴う放流効果を検討した。
研究の成果
1 平成2〜4年度に、全長30〜90mmサイズのヒラメ種苗を放流した結果、2.8歳(12月に集計)までの、種苗放流魚の漁獲による回収率は、 60mmサイズの放流で、2%前後、90mmサイズで4%前後と、放流サイズが大きくなればなるほど回収率は増加した。回収率の安定性等から、平均 60mm以上のサイズが放流サイズとして適していると推察された。
2 30〜60mmサイズでの種苗生産単価は20〜35円/尾であり、放流種苗1尾あたりの回収金額は、昭和63〜平成2年度については84〜127円であった。
成果の利用状況
今後、ヒラメの大規模な種苗放流を行うことにより,ヒラメの漁獲が安定し,沿岸漁業の振興に役立つことが期待される。 |
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採捕された放流ヒラメの表(上)と裏(下)
(放流魚では裏側に色素が残り、天然魚と識別可能) |
ヒラメの成長(約2年後には体長47cmになる) |
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