普及のひろば スジアオノリの養殖への挑戦
スジアオノリの養殖への挑戦
(この取り組みは終了しました)
スジアオノリは、アオノリの一種で、徳島や香川、岡山などで主に生産されており、よい香りがするため加工品は高値で売買されています。特に徳島県では、安定した生産を行っているため、乾燥品キロあたり5,000〜10,000円で扱われているようです。
浜名湖周辺では、都田川河口域に自生しており、利用されていないことから、平成13年度から県の「意欲ある漁業者の自主活動への支援事業」として浜名漁協気賀支所の漁業士白柳英明氏を中心に「浜名湖北部未利用資源研究会」を発足させ、スジアオノリの採苗、収穫を行っています。
スジアオノリは水温が20〜25℃の範囲で胞子放出に適するため、採苗は春と秋に行っています。
採苗はまず自生しているスジアオノリを採取し、ミキサーにかけ裁断します。それを海水でよく洗浄し、成熟阻害物質を洗い流します。水槽に入れ通気しながら光の当たる場所にしばらく置くと、成熟したスジアオノリの裁断片から胞子が放出されます。放出された胞子を、のり網につけて海へ張り出します。平成14年度の春の採苗は不調に終わりましたが、秋は胞子放出量が多く、うまくのり網につきました。浜名湖に張り出した後、水温の影響か伸びは良くなかったものの、無事収穫され12月下旬には競りに出すことができました。
また、11月上旬には、岡山市にある九蟠(くばん)漁協へ視察に行きました。
ここで行われているスジアオノリの採苗、養殖方法は、当研究会が参考にしている徳島県の方式とは異なり、簡略化されたものでした。この視察を通じて簡略化して良いところや押さえておきたいところ、網の色がどれくらい変われば種がついたと見てよいかなど、普段の疑問点が解消され今後の進め方がつかめたと感じています。
この取り組みはまだ始まったばかりですが、当研究会の努力が実りいつの日かスジアオノリでできた板のりが浜名湖地区でも普通に見かけられるようになることを目指して活動を続けて行く予定です。
視察先の九蟠漁協で採苗について説明を受けている所 | 加工後のスジアオノリ |
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