冷水病
<原因>
細菌性の疾病で、病原細菌はFlavobacterium Psychrophilumである。本菌はグラム陰性の長桿菌で、30℃で発育せず、またほとんどの株は25℃でも発育しない。トリプトソーヤ培地などの普通培地には発育しないが、改変サイトファガ培地やTYES培地などで発育する。
<症状>
稚アユでは体表の白濁、脂鰭から尾柄部のびらんや潰瘍が特徴的であり、体表や筋肉に出血が見られるものもある。大型のアユでは鰓や内臓の貧血以外には顕著な症状が見られないものも多い。
<治療>
アユの冷水病に効果を有する水産用医薬品として認められているものに、スルフイソゾールがある。また、冷水病菌が25℃以上ではほとんど発育しないことから、飼育水温の加温による治療が効果がある。
<参考資料>
(魚類防疫技術書シリーズ]V最近問題となっている魚病((社)日本水産資源保護協会)より)
体側の穴あき症状を伴う病アユ | 下顎の発赤(矢印)と体表の穴あき症状 | |
冷水病罹病魚の鰓と内臓 貧血により退色している。 |
冷水病原因菌のコロニー (改変サイトファーガ培地) |
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冷水病原因菌(グラム染色) |
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