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2012年04月61日 更新 |
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飼育魚の紹介
富士養鱒場にて飼育している魚の紹介です。
サケ科魚類:サケ属 Oncorhynchus
ニジマス Oncorhynchus mykiss
北米原産の魚です。英名はRainbow trout。体側中央に虹のような縦縞が走っているのが特徴です。原産地では一部はサケのように海に下ってから大きくなって戻ってくる個体もおり、スチールヘッドと呼ばれています。また人工的に作り出された品種も多く存在します。
日本には明治10年に持ち込まれました。養殖が盛んであり、静岡県のニジマス生産量は日本一を誇っています(平成15年現在)。また釣りなどの用途として各地の河川に放流されています。富士養鱒場ではこのニジマス養殖技術に関して様々な研究を行っています。
アマゴ Oncorhynchus masou ishikawae
日本固有のサケの仲間で、ヤマメに類似していますが、生きているときに体側に赤い斑点があるのが特徴です。太平洋側の静岡県以西が天然の分布域とされています。
一部の個体はサケのように海に下って、大きくなって帰ってきますが、この大きくなって帰ってきたものをサツキマスと呼びます。静岡県でも大きな河川ではサツキマスが見られます。
サケ科魚類:イワナ属 Salvelinus
イワナ Salvelinus leucomaenis
体中に黄色や赤色の斑点が見られます。本州では河川上流の冷水域に生息し、人目に触れることが少ないことから、時に「幻の魚」とも形容されます。
イワナには北日本に分布するアメマス、本州の太平洋側南部に分布するヤマトイワナ、本州の太平洋側北部と日本海側に分布するニッコウイワナ、山陰地方に分布するゴギが知られていますが、これらは亜種として扱われたり、一つの型として扱われたり意見が分かれています。
静岡県はヤマトイワナの分布域とされていますが、近年ニッコウイワナが放流され、交雑が起こり、純粋なヤマトイワナが激減しています。
カワマス Salvelinus fontinalis
イワナと同様に体中に多数の斑点がありますが、イワナでは背びれには斑点がないのに対して、この魚には背びれにも斑点があります。またしりびれの前縁に黒い線があるのも特徴です。北米が原産で、日本では日光周辺の湖や北海道の一部の河川などに放流されています。
サケ科魚類:タイセイヨウサケ属 Salmo
ブラウントラウト Salmo trutta
ヨーロッパに分布するサケの仲間です。体側に黒い斑点と、生きているときには赤の斑点があるのが特徴です。シューベルトのピアノ五重奏曲「ます」は本種の泳いでいる様を見て作曲されたと言われています。
日本には昭和の初期にアメリカを通して移植されたと言われています。養殖の他、釣りなどの目的で各地の湖沼・河川にも放流されていますが、北海道の一部の河川では大量に繁殖しており、在来種への影響が懸念されています。
その他魚類:チョウザメ科
チョウザメ(ベステル)
外見はサメに似ています。背中と体側と腹に1列の鱗があります。鼻はとがっていてつきだし、口の周辺に髭があります。
ロシアや中国東北部などの水の冷たい地域に生息し、世界中で23種ほどが知られています。チョウザメの卵はキャビアと呼ばれる高級食材であり、「黒いダイヤ」と評されています。
<参考文献>
川那部浩哉・水野信彦.1998.日本の淡水魚 第2版.山と渓谷社.東京.720p.
細谷和海.1993.サケ科.日本産魚類検索 全種の査定.中坊徹次編.東海大学出版会.東京.1474p.
静岡県水産・海洋技術研究所 富士養鱒場
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