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静岡県水産・海洋技術研究所


海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果

 待合室「ふきゅう」 パンくずリスト矢印 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 パンくずリスト矢印 令和7年8月〜12月の県内漁海況予測

 

静岡県内における漁海況予測(令和6年8〜12月)

※2025(令和7)年度 第1回太平洋いわし類・マアジ・さば類長期漁海況予報会議の予測文から

令和7年8月7日 静岡県水産・海洋技術研究所

1.海況

(1)黒潮

  ・大規模なC型基調で推移するものの、9〜10月にかけて一時的にA型となる可能性がある。
  ・蛇行北上部が一時的に伊豆諸島海域の西側に位置することがある。
(2)沿岸水温

  ・熊野灘〜遠州灘〜相模湾は、「平年並」〜「高め」で推移し、暖水波及時には「極めて高め」となることがある。
  ・伊豆諸島北部海域は、「極めて低め」〜「低め」で推移するが、一時的に「高め」となる ことがある。
  ・伊豆諸島南部海域は、「低め」〜「平年並」で推移するが、八丈島周辺では一時的に「高め」となることがある。

黒潮流型図

<予測の説明>

  室戸岬沖の小蛇行が東進し、計算モデルによりC型で推移するかA型になると予測。現在、潮岬沖では黒潮が接岸傾向で推移する
  ものの、小蛇行の通過にともない離岸傾向となることから一時的にA型となる可能性が示唆された。

   

*平年並=平年値±0.5℃未満、やや高め・やや低め=平年値±0.5℃〜±1.5℃、
高め・低め=平年値±1.5℃〜±2.5℃、極めて高め・極めて低め=平年値±2.5℃以上

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2.マサバおよびゴマサバ

予測海域と漁業:伊豆諸島周辺海域(棒受網、たもすくい)

(1)来遊量

マサバは低水準。

   ゴマサバは低調であった前年並。

   さば類全体としては低調であった前年並。

(2)漁期・漁場

期を通じて伊豆諸島北部海域が中心。黒潮流路によっては、三宅島周辺、銭洲周辺海域にも漁場が形成される。

(3)魚体

ゴマサバは29〜38cm(2歳魚、3歳魚)主体に、25cm〜31cm(1歳魚)と34cm以上(4歳以上)も漁獲される。
※大きさは尾叉長

<予測の説明>

 (マサバ)

  例年この時期は犬吠以北の海域のまき網、定置網での漁獲が中心であり、 伊豆諸島周辺海域以西への来遊量は低水準である。

 (ゴマサバ)

  ゴマサバ太平洋系群の資源量は、近年低水準で推移している。伊豆諸島周辺海域における棒受網による1〜6月のゴマサバ漁況及び
  直近の漁模様から、7〜11月の来遊量は低調であった前年並と考えられる。また、本県の棒受網漁船における今年1〜6月の年齢別漁
  獲尾数割合は、1歳魚は8%、2歳魚は16%、3歳魚は25%、4歳以上は48%であった。4歳以上は既に残存資源量が少なく、また、例年8〜
  12月の漁獲の主体とならない傾向があるため、今予測期間中の漁獲主体は2、3歳魚で1歳魚は混じる程度と考えられる。0歳魚は例
  年9月以降に漁獲対象となるが、現時点で来遊量は予測が困難である。また、近年は水揚量も少ない。

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3.マイワシ

予測海域と漁業:駿河湾〜相模湾西部(まき網、定置網)

 (1)来遊量

 前年を上回る

(2)漁期・漁場

 期を通じて漁獲される。漁場は駿河湾〜相模湾西部
(3)魚体 

 10〜15cm前後(0歳魚)主体に漁獲される。※大きさは被鱗体長

<予測の説明>

  近年の傾向から、0歳魚が漁獲の主体となる。5、6月の当歳魚の水揚状況は前年を上回っていることから、来遊量は前年を上回ると予
  測した。体長は近年の傾向を参考にした。

 

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4.カタクチイワシ

予測海域と漁業:駿河湾、相模湾西部(まき網、定置網)

(1)来遊量

 前年を上回るが低水準

(2)漁期・漁場

 期を通じて漁獲される。漁場は相模湾西部(定置網)

(3)魚体

 10cm以下(0歳漁)主体に、10〜14p(1歳漁)が漁獲される。※大きさは被鱗体長
<予測の説明> 

  近年、8月以降の定置網への入網は僅かであり、さらに近年は資源量が少ないため予測は困難である。ただし、今年の伊豆東岸大型
  定置7か統の水揚量は前年を上回っており、7月以降もその傾向が続いていることから、水揚量は昨年を上回るが近年並の低水準と予
  測した。

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5.シラス

予測海域と漁業:遠州灘〜駿河湾(船びき網)

(1)来遊量

 8月は平年(2020〜2024年平均)並み。9月以降は予測困難。

(2)漁期・漁場

 期を通じて遠州灘〜駿河湾で漁獲される。

<予測の説明>

  潮岬〜遠州灘西部(伊勢・三河湾内を除く)における5〜6月のカタクチイワシ産卵量が少なかった年は、8月のシラス水揚量が少ない
  傾向にある。5〜6月のカタクチイワシ産卵量(卵稚仔調査)と8月の主要6港シラス水揚量の関係式から計算すると、8月の水揚量は昨年
  を上回り平年(2020〜2024年平均)並みと予測された。9月以降については現時点で情報がなく、予測が困難である。

 

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