待合室「ふきゅう」 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 令和5年1月〜6月の県内漁海況予測
静岡県内における漁海況予測(令和5年1〜6月) ※令和4年度第2回 太平洋いわし類・マアジ・さば類長期漁海況予報会議の予測文を参照 令和4年12月27日 静岡県水産・海洋技術研究所 1.海況 (1)黒潮 ・大蛇行が継続し、A型基調で推移する。 (2)沿岸域 ・熊野灘〜遠州灘〜相模湾は、黒潮の接近や黒潮系水の波及に伴い暖水に覆われる。 <予測の説明> 数値モデルでは少なくとも今後2か月は大蛇行が継続すると予測された。また、最近の流路変動も考慮し、黒潮は概ね伊豆諸島海域の西側を北上し、熊野灘〜遠州灘に近づくことがあると予測した。 *平年並=平年値±0.5℃未満、やや高め・やや低め=平年値±0.5℃〜±1.5℃未満、
2.マサバおよびゴマサバ 予測海域と漁業:伊豆諸島周辺海域(たもすくい網、棒受網) (1)来遊量 伊豆諸島周辺への来遊は4歳魚以上が主体となる。マサバ4歳魚(2019年級群)は前年を下回る。5歳魚(2018年級群)は前年を上回る。6歳(2017年級群)以上は前年を上回る。マサバ全体としては前年並〜下回る。ゴマサバは前年を下回る。サバ類全体としては前年並〜下回る。 (2)漁期・漁場 マサバ主漁場は、漁期当初は伊豆諸島北部海域及び三宅島周辺海域となり、盛漁期には銭洲周辺海域にも形成される。期後半は伊豆諸島北部海域が主漁場となる。ゴマサバ主漁場は期を通じて伊豆諸島北部海域となり、銭洲周辺海域及び三宅島周辺海域にも漁場が形成される。 (3)魚体 マサバは尾叉長26〜39cm(4歳以上)、ゴマサバは尾叉長28〜35cm(3歳魚)、31cm以上(4歳以上)主体に漁獲される。 ※大きさは尾叉長
<予測の説明> マサバ:マサバ太平洋系群の資源量は高水準であるが、2013年級群以降は成長、成熟の遅れが見られている。また12月現在、常磐沖の黒潮が北偏し魚群の南下が遅れている。このことから、加入量水準から予測される来遊量よりも実際の来遊量は低くなる可能性がある。予測期間は漁場は黒潮流路がA型基調で銭洲、三宅島付近を流れると予測されており、漁期当初は伊豆諸島北部海域及び三宅島周辺海域に、盛漁期は銭州周辺海域にも形成される。漁期後半は魚群の北上開始に伴い再び伊豆諸島北部海域が主漁場となる。 ゴマサバ:ゴマサバ太平洋系群の資源量は減少傾向にあり、加入状況は低水準である。2022年7〜11月の漁獲物は0歳魚(2022年級群:明け1歳魚)が3.9%、1歳魚(2021年級群:明け2歳魚)が19.3%、2歳魚(2020年級群:明け3歳魚)が48.7%であった。このことから予測期間は3歳以上が主体となる。漁場は期を通じて伊豆諸島北部海域が主漁場となり、黒潮流路によって一時的に銭州周辺海域および三宅島周辺海域にも形成される。
3.マイワシ 予測海域と漁業 :駿河湾〜相模湾西部(まき網、定置網) (1)来遊量 前年並〜下回る (2)漁期・漁場 期を通じて駿河湾、相模湾西部で漁獲される。 期前半は15〜20cm前後の1〜3歳魚(2022〜2020年級群)が主体となる。期後半は12cm以下の0歳魚(2023年級群)が主体となる。 ※大きさは被鱗体長 <予測の説明> 予測期間は本県沖合を南下回遊する産卵親魚が漁獲されると考えられる。マイワシ太平洋系群の親魚量は前年並と推定されているが、常磐沖の黒潮流路によっては南下回遊が妨げられて来遊量が前年を下回ると考えられるため、来遊量は前年並〜下回ると予測した。漁期・漁場および魚体は近年の傾向から予測した。
4.カタクチイワシ 予測海域と漁業 :駿河湾〜相模湾西部(まき網、定置網) (1)来遊量 前年並 (2)漁期・漁場 駿河湾ではほとんど漁獲されない。相模湾西部では期を通じて漁獲される。 (3)魚体 8〜12cmの1歳魚(2022年級群)が主体となる。 ※大きさは被鱗体長 <予測の説明> 漁獲対象となる1歳魚(2022年級群)の資源水準は、前年に引き続き低水準と推測されていることから、予測期間は来遊量は低調であった前年並と予測した。漁期・漁場および魚体は資源低水準期である近年の傾向から予測した。
太平洋沿岸全体の予報については、水産研究・教育機構 水産資源研究所のホームページに掲載されています。 |
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