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静岡県水産・海洋技術研究所


海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果

 待合室「ふきゅう」 パンくずリスト矢印 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 パンくずリスト矢印 令和3年8月〜12月の県内漁海況予測

静岡県内における漁海況予測(令和3年8〜12月)

※令和3年度第1回太平洋いわし類・マアジ・さば類長期漁海況予報会議の予測文を参照

令和3年8月5日 静岡県水産・海洋技術研究所

1.海況

(1)黒潮

   大蛇行が継続し、A型基調で推移する。

(2)沿岸域

   ・熊野灘〜遠州灘〜伊豆諸島北部海域〜相模湾の水温は「平年並」〜「高め」で推移し、暖水波及時には「極めて高め」で推移する。
   ・伊豆諸島南部海域の水温は、概ね「高め」で推移する。

 

黒潮流型図

<予測の説明>

 国立研究開発法人水産研究・教育機構による数値モデルでは、一時的な流路変動はあるものの、今後およそ2か月はA型が持続すると予測された。
水温については、黒潮の接岸による暖水波及の影響及び黒潮流路と本県沿岸水温の関係(A型>B型>N型>C型)を基に、近年の傾向を加味した。

*平年並=平年値±0.5℃未満、やや高め・やや低め=平年値±0.5℃〜±1.5℃、高め・低め=平年値±1.5℃〜±2.5℃、極めて高め・極めて低め=平年値±2.5℃以上

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2.マサバおよびゴマサバ

予測海域と漁業 : 伊豆諸島周辺海域(棒受網、たもすくい)

(1)来遊量

マサバは低水準。ゴマサバ1歳魚は前年を上回る。2歳魚は前年を下回る。3歳魚は前年を上回る。ゴマサバ全体としては低調であった前年並。

(2)漁期・漁場

期を通じて伊豆諸島北部海域が中心。黒潮流路によっては、三宅島周辺、銭洲周辺海域にも漁場が形成される。

(3)魚体

ゴマサバは、31〜35cm(3歳魚)主体に、26〜30cm(1歳魚)、28〜32cm(2歳魚)および33cm以上(4歳以上)も漁獲される。

※大きさは尾叉長

 

<予測の説明>

(マサバ):例年この時期は犬吠以北の海域のまき網、定置網での漁獲が中心であり、 伊豆諸島周辺海域以西への来遊量は低水準である。


(ゴマサバ):ゴマサバ太平洋系群の資源水準は、近年減少傾向にある。加入水準をみると、1歳魚は近年(過去10年)の平均程度の水準だが、2、3歳は近年の平均を下回る水準と考えられている。0歳魚は漁況が低調に推移していることから現時点では近年の平均を下回る水準と見込まれている。本県の棒受網漁船における今年1〜6月の年齢別漁獲尾数割合は、1歳魚は2.4%、2歳魚は15.3%、3歳魚は38.6%、4歳魚は43.7%であった。このことから、今予測期間中の漁獲主体は3歳魚で1、2歳魚は混じる程度と考えられる。これまで漁獲主体であった4歳以上は既に残存資源量は少ないため漁獲主体とはならないと考えられる。0歳魚は例年9月以降に漁獲対象となるが、現時点で来遊量は予測できない。

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3.マイワシ

予測海域と漁業 : 駿河湾〜相模湾西部(まき網、定置網)

 (1)来遊量

 前年並。

(2)漁期・漁場

 期を通じて漁獲される。
(3)魚体 

 10〜15cm前後(0歳魚)主体に漁獲され、15cm以上(1歳魚以上)が混じる。 ※大きさは被鱗体長

<予測の説明>

 5、6月の漁獲状況は前年並みとなっており、現在漁獲されている資源が引き続き漁獲対象となると考えられるため、来遊量は前年並みと予測した。

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4.カタクチイワシ

予測海域と漁業 :駿河湾〜相模湾西部(まき網、定置網)

(1)来遊量

 前年並。

(2)漁期・漁場

 駿河湾ではほとんど漁獲なし、相模湾では定置網に散発的に入網する。

(3)魚体

 体長10〜13cm(1歳魚)が主体。 ※大きさは被鱗体長

 

<予測の説明>

 近年は資源量が非常に少ないため予測は困難であるが、本予測海域における近年の漁獲傾向から8月以降の相模湾西部の定置網への入網は散発的、低調な水揚げが続いていることから来遊量は前年並みと予測した。また、予測対象漁業がまき網、定置網であることから漁獲主体は1歳魚と予測した。

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5シラス

予測海域と漁業 :遠州灘〜駿河湾(船びき網)

(1)来遊量

 前年を下回る。

(2)漁期・漁場

 期を通じて遠州灘〜駿河湾で漁獲される。

 

<予測の説明>

 本県沿岸における5、6月のカタクチイワシ卵採集数が少ない年は、7、8月のシラス水揚量が低調となる傾向がある。今年の卵採集数は近年同様に少なかったため7、8月の来遊量は低調と予測した。9、10月は、黒潮大蛇行期に水揚げが少なくなる傾向があり、黒潮大蛇行は継続すると予測されているため来遊量も低調と予測した。11、12月は、シラスの来遊盛期を過ぎるため低調と予測した。
前年は、7〜8月の黒潮流路の大きな変動に伴う暖水波及、また黒潮上流部でのカタクチイワシ産卵量が多かったことにより水揚量が多かったと考えられるため、今年8〜12月の来遊量は、前年を下回ると予測した。

 

 

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太平洋沿岸全体の予報については、水産研究・教育機構 水産資源研究所のホームページに掲載されています。

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