待合室「ふきゅう」 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 平成22年1月〜6月の県内漁海況予測
静岡県内における漁海況予測(平成22年1〜6月) ※平成21年度第2回長期漁海況予報会議における予測文を参照 平成22年1月4日 静岡県水産・海洋技術研究所 1.海況 (1)黒潮 黒潮は、N型基調で2月、4〜5月には一時的にB・C型流路になる。遠州灘〜駿河湾の沿岸水温は「平年並み」で推移し、暖水波及時には「高め」となる。 (2)沿岸域 熊野灘〜遠州灘〜伊豆諸島北部海域は、概ね冷水域に入る。黒潮流路の変動に伴い、内側域への暖水波及がある。
<予測の説明> 現在、潮岬沖では黒潮が接岸していることから、今後、黒潮はC型からN型へ移行すると考えられる。一方、室戸岬沖では現在やや離岸しており、今後も離岸が継続し小冷水域が東進すると考えられる。このため、黒潮はN型基調で経過するものの、2月と4〜5月に一時的にB・C型になると予測される。なお、黒潮はN型だが離岸傾向で伊豆諸島では八丈島周辺を通り、変動を伴うと考えられる。沿岸水温は、黒潮の変動に伴い暖水波及が発生し易いことから、極端な低めにはならず「平年並み」で推移すると予測される。 ※平年並み=平年値±0.5℃程度、やや高め・やや低め=平年値±1.0℃程度、高め・低め=平年値±1.5℃程度、かなり高め・かなり低め=平年値±2.5℃程度。
2.マサバおよびゴマサバ 予測海域 : 伊豆諸島周辺海域 対象漁業 : 棒受網漁業、たもすくい網漁業 (1)来遊量 マサバ1歳魚は前年を(以下同じ)上回る。2歳魚は下回る。3歳魚は上回る。4歳魚以上は少ない。マサバとしては前年を上回る。 (2)漁期・漁場 伊豆諸島北部海域でマサバ主体の漁場が形成される。ゴマサバは期を通じて三宅島周辺海域を中心に漁場が形成される。 (3)魚体 マサバは32〜37cm(3歳魚)主体で、37cm以上の高齢魚と28cm以下の1歳魚も混じる。ゴマサバは23〜28cm(1歳魚)主体で32〜35cm(3歳魚)が混じる。 <予測の説明> マサバ マサバ太平洋系群の資源水準は依然低位であるが、近年は増加傾向にある。 ゴマサバ ゴマサバ太平洋系群の資源水準は依然高位にある。
3.マイワシ <対象漁業> 成魚・未成魚:駿河湾〜相模湾のまき網、定置網 (1)来遊量 成魚・未成魚: 近年の中では高水準。 (2)漁期・漁場 成魚・未成魚:散発的な漁場形成。 (3)魚体 成魚・未成魚:体長19〜21cm前後(2歳魚主体)。 <予測の説明> マイワシ太平洋系群の資源水準は低位である。そのなかで、平成20年級群は、平成18、19年級群を上回る資源水準と推定され、平成21年にはまき網漁業が平成20年級群を漁獲し、前年の10倍程度の水揚を上げるまでに至った。平成21年級群は漁獲としてまとまらず、低い加入水準と判断される。今期は平成20年級群(2歳魚)が主体となる漁場が散発的に形成され、平年を上回る来遊があると見込まれる。
4.カタクチイワシ <対象漁業> 成魚・未成魚:駿河湾〜伊豆東岸のまき網、定置網 (1)来遊量 成魚・未成魚:前年を上回る。 (2)漁期・漁場 成魚・未成魚: 全期間。 (3)魚体 成魚・未成魚:体長10〜13cmの1歳魚および2歳魚。 <予測の説明> カタクチイワシ太平洋系群の資源水準は中位とされ、動向は5年間で減少傾向にある。今期南下群として漁獲が期待される平成20年級群(2歳魚)は体長も小型なので今後も漁獲が見込まれているが、平成21年級群(1歳魚)は20年級群を下回る資源水準と見られている。全体としての来遊水準は前年を上回ると見込まれる。 注:1歳魚(平成21年級群)、2歳魚(平成20年級群)、3歳魚(平成19年級群)、4歳魚(平成18年級群)
太平洋沿岸全体の予報については、水産庁のホームページに掲載されています。 |
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