待合室「ふきゅう」 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 平成21年8月〜12月の県内漁海況予測
静岡県内における漁海況予測(平成21年8〜12月) ※平成21年度第1回長期漁海況予報会議における予測文を参照 平成21年8月5日 静岡県水産・海洋技術研究所 (1)黒潮 期間を通してC型基調で推移する。8〜9月には一時的に八丈島の北を通る。 (2)沿岸域 熊野灘〜伊豆諸島北部海域は概ね冷水域に入るが、熊野灘〜遠州灘には一時的に暖水が波及することがある。
<予測の説明> 潮岬沖の黒潮は、9月までは接岸傾向で推移するが小冷水渦の通過が予想され、10月以降は離岸傾向となる。このため黒潮は9月までは変動を伴ったC型、10月以降は比較的安定したC型となり、期間全体としてはC型基調で推移すると予測される。また、最新の状況として八丈島西側から黒潮が接近しつつあることから、8〜9月に一時的に八丈島の北を通ると考えられる。沿岸水温は黒潮がC型基調で推移することから平年よりも低めで推移すると予測される。 ※平年並み=平年値±0.5℃程度、やや高め・やや低め=平年値±1.0℃程度、高め・低め=平年値±1.5℃程度、かなり高め・かなり低め=平年値±2.5℃程度。
予測海域 : 伊豆諸島周辺海域 対象漁業 : 棒受網漁業、たもすくい網漁業 (1)来遊量 マサバは、北上期のため漁場形成は期待できない。ゴマサバ0歳魚は前年を(以下同じ)上回る。1歳魚は下回る。2歳魚は上回る。3歳魚以上は下回る。ゴマサバ全体としては前年を下回り平年並。サバ類としても前年を下回り平年並。 (2)漁期・漁場 ゴマサバは期を通じて三宅島周辺海域で漁獲される。 (3)魚体 ゴマサバが主な漁獲対象となり、29〜34cm(2歳魚)が主体で、26〜28cm(1歳魚)や25cm以下(0歳魚)も漁獲される。 <予測の説明> マサバ マサバ太平洋系群の資源水準は依然低位であるが、近年は増加傾向にある。 ゴマサバ ゴマサバ太平洋系群の資源水準は依然高位であるが、近年は3歳魚、4歳魚の加入量水準が低いために減少傾向にある。
<対象漁業> 成魚・未成魚:駿河湾〜相模湾のまき網、定置網 (1)来遊量 成魚・未成魚: 近年の中では高水準。 (2)漁期・漁場 成魚・未成魚:散発的な漁場形成。 (3)魚体 成魚・未成魚:体長17〜22cm前後(1歳魚主体)。 <予測の説明> マイワシ太平洋系群の資源水準は低位である。そのなかで、平成20年級群は平成18、19年級群を上回る資源水準と推察されており、それが主体となる漁場が散発的に形成される。
<対象漁業> 成魚・未成魚:駿河湾〜伊豆東岸のまき網、定置網 (1)来遊量 成魚・未成魚:平年並で、前年を上回る。 (2)漁期・漁場 成魚・未成魚、シラス: 全期間。 (3)魚体 成魚・未成魚:予測期間前半では体長10〜13cmの1歳魚、後半では体長5〜10cmの0歳魚主体。 <予測の説明> カタクチイワシ太平洋系群の資源水準は高位であるが、動向は5年間で減少傾向にある。平成21年級群であるシラスの3〜5月の漁獲パターンは春不調パターンに分類される。過去の春不調漁獲パターンからみて8月以降のシラスは前年、平年を上回る。また、未成魚としてまき網、定置網に予測期間後半における来遊が見込まれる。まき網、定置網において予測期間前半に主体を占めると考えられる平成20年級群は過去10年間で中程度の資源水準と推定されており、上半期の漁況経過から前年を上回る。
注:本文中の年齢は全て平成21年1月1日を基準とする。
太平洋沿岸全体の予報については、水産庁のホームページに掲載されています。 |
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