待合室「ふきゅう」 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 平成21年4月〜7月の県内漁海況予測
静岡県内における漁海況予測(平成21年4〜7月) ※平成20年度第3回長期漁海況予報会議における予測文を参照 平成21年3月31日 静岡県水産・海洋技術研究所 (1)黒潮 期間を通して規模の大きなC型流路で推移し、5〜6月に一時的にB型流路となる。 (2)沿岸域 熊野灘〜遠州灘〜伊豆諸島北部海域は概ね冷水域に入る。ただし、B型流路のとき、熊野灘〜遠州灘は内側反流による暖水の影響を受ける。伊豆諸島南部海域は蛇行北上部の変動に伴って昇温と降温を繰り返す。
<予測の説明> 黒潮が都井岬〜足摺岬沖で接岸傾向、室戸岬〜潮岬で離岸傾向が継続するとC型流路が定在化することが知られている。現在の黒潮は都井岬〜足摺岬で接岸傾向、室戸岬〜潮岬で離岸傾向にあり、この傾向が今後も続くと考えられることから、C型流路で推移するとした。ただし、都井岬〜足摺岬沖では3〜4月に離岸傾向となる影響で、5〜6月には一時的にB型流路となる。 ※平年並み=平年値±0.5℃程度、やや高め・やや低め=平年値±1.0℃程度、高め・低め=平年値±1.5℃程度、かなり高め・かなり低め=平年値±2.5℃程度。
予測海域 : 伊豆諸島周辺海域 対象漁業 : 棒受網漁業、たもすくい網漁業 (1)来遊量 マサバ1歳魚は前年を(以下同じ)下回る。2歳魚は上回る。3歳魚は大きく下回る。4歳魚以上は少ない。マサバ全体としては前年並。 (2)漁期・漁場 マサバは伊豆諸島北部海域が主漁場となる。 (3)魚体 マサバは30〜34cm(2歳魚)主体。 <予測の説明> マサバ マサバ太平洋系群の資源水準は依然低位であるが、近年は増加傾向にある。2歳魚の加入量水準は高いが、1歳魚は低い。また、3歳魚、4歳魚は資源量が少なく、卓越年級群であった5歳魚の残存資源量は少ない。伊豆諸島では現在の主漁場である北部海域で今後も漁場が形成されると考えられる。黒潮流路は漁期前半はC型基調で推移し、5〜6月に一時的にB型に移行すると予測されていることから、漁期前半の漁況は低調に推移し、5〜6月に海況条件が好転すれば継続して漁場が形成される可能性がある。 ゴマサバ ゴマサバ太平洋系群の資源水準は依然高位であるが、近年は3歳魚、4歳魚の加入量水準が低いために減少傾向にある。2歳魚の加入量水準は比較的高いが、1歳魚は比較的低い。また、3歳魚、4歳魚は低い。伊豆諸島海域では、平成19年10月以降漁獲の主体となっている2歳魚を中心に、三宅島周辺海域に漁場が形成される。
<対象漁業> 成魚・未成魚:駿河湾〜相模湾のまき網、定置網 (1)来遊量 成魚・未成魚: 近年の中では高水準。 (2)漁期・漁場 成魚・未成魚: 散発的な漁場形成。 (3)魚体 成魚・未成魚: 体長14〜20cmの1歳魚(平成20年級群)主体。 <予測の説明> マイワシ太平洋系群の資源水準は低位であるが、平成15年以降、微増傾向にある。平成20年級群は資源水準は低いものと推察されているが、伊勢・三河湾〜相模湾では前年の当歳魚を上回る漁獲経過を示した。魚群分布状況や海況によっては局所的に1歳魚の漁獲量が増大することがありうる。
<対象漁業> 成魚・未成魚:駿河湾〜伊豆東岸のまき網、定置網 (1)来遊量 成魚・未成魚: 前年並み。 (2)漁期・漁場 成魚・未成魚、シラス: 全期間。 (3)魚体 成魚・未成魚: 体長10〜12cmの1歳魚(平成20年級群)主体。 <予測の説明> カタクチイワシ太平洋系群の資源水準は高位であるが、動向は5年間で減少傾向にある。平成19年級群は成長が早く、夏季の産卵後に死亡したと考えられており、今後の漁獲の主体とならない。漁獲の主体となる平成20年級群は各地の漁獲状況や沖合での分布状況から資源水準は中水準とされた。駿河湾・伊豆東岸では平成20年級群は前年並みの漁獲であることから、概ね前年並みの来遊水準と考えられる。シラス(当歳魚)は県内における前年のカタクチイワシ漁獲量、県内における1〜2月の定地水温平均より、2,300トンと予測され、これは平年(3,241トン)、前年(5,150トン)を下回る。
注:本文中の年齢は全て平成21年1月1日を基準とする。
太平洋沿岸全体の予報については、水産庁のホームページに掲載されています。 |
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