待合室「ふきゅう」 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 平成20年8月〜12月の県内漁海況予測
静岡県内における漁海況予測(平成20年8〜12月) ※平成20年度第1回長期漁海況予報会議における予報文を参照 平成20年8月4日 静岡県水産・海洋技術研究所 (1)黒潮 8〜11月にかけて変動が大きく、B型とC型を繰り返すが、12月以降、B型流路となる。 (2)沿岸水温 熊野灘〜伊豆諸島北部海域は概ね冷水域に入るが、熊野灘〜遠州灘には一時的に暖水が波及することがある。。
<予測の説明> 現在、九州南東沖では大規模な蛇行が停滞しており、その一部が8〜11月には黒潮に沿って小蛇行として東進するためB型、C型を繰り返すと予測された。また、九州南東沖の大規模な蛇行は規模を拡大しながらゆっくり東進することで、12月頃にはB型流路になると予測された。 ※平年並み=平年値±0.5℃程度、やや高め・やや低め=平年値±1.0℃程度、高め・低め=平年値±1.5℃程度、かなり高め・かなり低め=平年値±2.5℃程度。
予測海域 : 伊豆諸島周辺海域 対象漁業 : 棒受網漁業、たもすくい網漁業 (1)来遊量 ゴマサバ1歳魚は前年を上回る。2歳魚は前年を下回り低い水準。3歳 (2)漁期・漁場 ゴマサバは期を通じて三宅島および銭洲周辺海域で漁獲される。 (3)魚体 ゴマサバが主な漁獲対象となり、27〜30cm(1歳魚)主体に30〜36cm(2、3歳魚)が混じる。25cm以下(0歳魚)も漁獲される。 <予測の説明> マサバ マサバ太平洋系群の資源水準は低位であり、動向は横ばい傾向にある。予測期間における1歳魚の来遊量は前年を大きく上回り、4歳魚も前年を上回るとされ、これら1、4歳魚を主体に三陸、道東、常磐海域等にまき網漁場が形成されるが、伊豆諸島周辺海域での漁場形成は期待できない。 ゴマサバ ゴマサバ太平洋系群の資源動向は2、3歳魚の加入量水準が低いために減少傾向にあるが、資源水準は依然として高位にある。予測期間における1、4歳魚の来遊量は前年を上回ると見られている。特に伊豆諸島周辺海域では、1〜6月まで1歳魚を主体に2、3歳魚混じりで前年を上回る漁獲があったため、予測期間においても前年を上回る漁獲があると予測される。
<対象漁業> 成魚・未成魚:遠州灘〜相模湾のまき網、定置網、シラス:遠州灘〜駿河湾の船曳網 (1)来遊量 成魚・未成魚: 0歳魚(平成20年級群)主体に前年を上回る。 (2)漁期・漁場 成魚・未成魚: 全期間にわたり、散発的。 (3)魚体 体長13〜18cmの0歳魚(平成20年級群)主体。 <予測の説明> マイワシ太平洋系群の資源水準は低位であるが、平成19年級群が西日本で好調に漁獲された等、微増傾向が見られている。3〜4月に全国的にみて伊勢湾〜相模湾にかけてのみマシラスの漁獲が好調であった。これはこの海域だけ平成20年級群の加入状況が良好であったことを示しており、引き続き0歳魚として漁獲され、その水準は前年を上回ると考えられる。しかし、親魚量は低水準と推測されるため、1歳魚以上の漁獲は少なく、また、マシラスも低水準であると予測される。
<対象漁業> 成魚・未成魚:遠州灘〜相模湾のまき網、定置網、シラス:遠州灘〜駿河湾の船曳網 (1)来遊量 成魚・未成魚: 平年並み。 (2)漁期・漁場 成魚・未成魚: 全期間にわたり、散発的。 (3)魚体 体長5〜10cmの0歳魚(平成20年級群)と10〜13cmの1歳魚(平成19年級群)。 <予測の説明> カタクチイワシ太平洋系群の資源水準は高位であるが、動向は減少傾向にある。3〜4月に全国的にみて伊勢湾〜相模湾にかけてのみカタクチシラスの漁獲が好調であった。マシラスと同様にこの海域だけ平成20年級群の加入状況が良好であったことを示しており、引き続き0歳魚として漁獲されると考えられる。1歳魚(平成19年級群)は、3月以降の伊豆東岸定置網および4月以降のまき網の漁況経過から平年並みで前年を上回ると予測される。シラスについては6月中旬以降の県内主要6港の漁況は低調であり、カタクチイワシの卵、仔魚の出現状況も少ない。今後の黒潮流路の変動に伴う暖水波及などの海況状況の好転が予想されるものの、平年を下回り、前年並みと思われる。
注:本文中の年齢は全て2008年(平成20年)1月1日を基準とする。
太平洋沿岸全体の予報については、水産庁のホームページに掲載されています。 |
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