待合室「ふきゅう」 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 平成19年1月〜6月の県内漁海況予測
静岡県内における漁海況予測(平成19年1〜6月) ※平成18年度第2回長期漁海況予報会議における予測文を参照 平成18年12月28日 静岡県水産試験場 (1)黒潮 1月〜6月は33゜N付近を東進し、八丈島付近を通過後、蛇行しながら東へ流れ、房総沖で離岸した流路パターンが継続する。ただし、小蛇行の東進に伴い、2月に一時的にB型傾向、3月〜4月にC型傾向、5月〜6月にD型傾向の流路パターンとなる。 (2)沿岸水温 小蛇行が潮岬沖を通過するとき、熊野灘〜遠州灘へ一時的に暖水が波及する。熊野灘〜遠州灘〜伊豆諸島北部海域は概ね冷水域に入るが、伊豆諸島南部海域は黒潮流路の変動に伴って断続的に昇温と降温を繰り返す。 遠州灘〜駿河湾〜相模湾:「平年並み」〜「低め」で推移し、暖水波及時に「高め」となる。 伊豆諸島北部:「低め」基調で推移する。 伊豆諸島南部:「高め」〜「極めて低め」で短期的に変動する <予測の説明> 現在の黒潮はN型流路で推移し、九州南東沖には規模の大きい小蛇行が存在している。2006(平成18)年の黒潮流路及び黒潮流路に関わる水位変化が 1996年に類似しているため、九州南東における黒潮小蛇行の現況から2007(平成19)年1〜7月を1997年4〜10月に対応させて予測を行った。 その結果、九州南東沖の小蛇行は12月〜1月に四国沖を東進し、その後、潮岬以東では小蛇行しながら東進すると予測された。 ※平年並み=平年値±0.5℃、やや高め・やや低め=平年値±1.0℃、高め・低め=平年値±1.5℃、かなり高め・かなり低め=平年値±2.5℃
<対象漁業> 伊豆諸島海域における、棒受網・たもすくい網漁業 (1)来遊量 マサバ2歳魚は前年を下回る。3歳魚は前年を上回る。4歳以上は少ない。ゴマサバ1歳魚は少ない。2歳魚は前年を大きく下回る。3歳魚は前年を上回る。4歳以上は少ない。サバ類全体としては、前年並みか、やや下回る。 (2)漁期・漁場 マサバは伊豆諸島北部海域が主漁場となる。ゴマサバは期を通じて三宅島周辺が主漁場となる。 (3)魚体 マサバは31〜36cm(3歳魚)が主体となる。ゴマサバは、28〜36cm(3歳魚)が主体となる。 <予測の説明> マサバ 3歳魚(2004年級群)の残存資源量は多くはないものの、前年同期の3歳魚(2003年級群)を上回り、予測期間中は、多くは産卵のため房総以南に南下すると考えられ、伊豆諸島近海に漁場が形成される可能性がある。 ゴマサバ 3歳魚に続く、2・1歳魚の加入量水準は低く、4歳以上の残存資源量も少ない。3歳魚の加入量は、卓越年級群の1996年級群と同程度に豊度が高く、残存資源量は3歳魚としては高い水準にあると推定されており、その来遊量は前年を上回る。
<対象漁業> 遠州灘、駿河湾、相模湾のまき網、定置網 (1)来遊量 低水準であり、前年を下回る。 (2)漁期・漁場 全期間、散発的な漁で終始する。 (3)魚体 被鱗体長15〜19cm(1歳魚)主体で19〜21cm(2歳魚)が混じる。 <予測の説明> 前期(7〜11月)における主要港水揚量は伊勢・三河湾並びに駿河湾では前年を上回り、相模湾では前年を下回った。また 体長組成の推移等から0歳魚主体で、2歳魚も漁獲されたとみられる。今期(1〜6月)も来遊量は低水準であり、漁場形成は散発的になると考えられる。
<対象漁業> 駿河湾、相模湾のまき網、定置網 (1)来遊量 前年並みか前年を下回る。相模湾では前年を下回る。 (2)漁期・漁場 全期間。 (3)魚体 被鱗体長10〜13cmの1歳魚主体。 <予測の説明> 駿河湾では2006年夏以降の未成魚の漁獲が少ないが、2006年1〜11月の中型まき網の漁獲量がほぼ前年並であることから、前年並〜前年を下回ると考えられる。相模湾では秋期以降の未成魚の漁獲が低調であることから前年を下回ると考えられる。
注:本文中の年齢は全て2007(平成19)年1月1日を基準とする。
太平洋沿岸全体の予報については、水産庁のホームページに掲載されています。 |
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