待合室「ふきゅう」 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 平成18年8〜12月の県内漁海況予測
静岡県内における漁海況予測(平成18年8〜12月) ※平成18年度第1回長期漁海況予報会議における予測文を参照 平成18年7月28日 静岡県水産試験場 (1)黒潮 9月までN型流路で推移するが、10月以降にA型流路へ移行する。 (2)沿岸水温 N型流路時は黒潮の離接岸変動に伴って沿岸域へ一時的に暖水が波及することがある。 A型流路時は内側反流に伴い沿岸域へ暖水が進入し、伊豆諸島海域では断続的に暖水波及が起こる。
<予測の説明> 現在の黒潮はN型流路で推移しているが、九州東方には比較的規模の大きな小蛇行が存在している。過去40年間に起きたA型の大蛇行(1975年、1981年、1986年、1989年、2004年)は、6〜8月に九州東方で大きく離岸した小蛇行の東進により起きていることから、今回もA型流路へ移行すると予測された。また、遠州灘への蛇行の東進時間は2004年の場合は約4か月であったが、現在の九州東方の大きな小蛇行は停滞気味であることから東進速度は遅くA型への移行は10月以降と予測された。 ※平年並み=平年値±0.5℃、やや高め・やや低め=平年値±1.0℃、高め・低め=平年値±1.5℃、かなり高め・かなり低め=平年値±2.5℃
予測海域 : 伊豆諸島周辺海域 予測漁業 : 棒受網、たもすくい網 対象漁業 : 棒受網・たもすくい網漁業
(1)来遊量 マサバは低水準。ゴマサバは2歳魚を主体に1・3歳魚が混じる。8月以降、0歳魚も漁獲対象となり、前年並みか、やや下回る。 (2)漁期・漁場 三宅島周辺海域が主漁場となる。 (3)魚体 ゴマサバの体長は、28〜34cm(2歳魚)主体に24〜29cm(1歳魚)と34〜37cm(3歳魚)が混じる。 <予測の説明> マサバ 2歳魚(2004年級群)の残存資源量は、前年同期の2歳魚(2003年級群)より多く、予測期間における関東以北への来遊量は、前年を上回ると考えられるが、伊豆諸島近海での漁場形成は期待できない。 ゴマサバ 2歳魚の加入量は、卓越年級群の1996年級群と同程度に豊度が高く、資源量は依然として高水準と推定されており、2歳魚主体に前年並みか、やや下回る程度の漁が期待される。2歳魚に続く、1・0歳魚の加入量水準は低く、3歳以上の残存資源量も少ない。
<対象漁業> 遠州灘・駿河湾・相模湾のまき網・定置網、遠州灘・駿河湾のシラス船曳網 (1)来遊量 (成魚・未成魚)依然として低水準。前年並み。 (2)漁期・漁場 (成魚・未成魚)全期間にわたり散発的。 (3)魚体 (成魚・未成魚)被鱗体長16〜19cm(1歳魚)主体。 <予測の説明> 0歳魚の加入量水準は、現時点では前年を下回ると推測されており、依然低い状態が続いている。近年、夏に1歳魚を中心とした比較的まとまった水揚げがみられた年もあったが、昨年に引き続き、今年も確認されておらず、今後もまとまった漁獲は期待できない。2歳魚は全国的にも漁獲量が少ないことから残存資源量は少ないと考えられる。親魚量が低水準と推測されるため、マシラスも低水準であると予測される。
<対象漁業> 駿河湾・相模湾のまき網・定置網、遠州灘・駿河湾のシラス船曳網 (1)来遊量 (成魚・未成魚)駿河湾では前年を下回る。相模湾では前年をやや下回る。 (2)漁期・漁場 (成魚・未成魚)沿岸域を中心に全期間。 (3)魚体 (成魚・未成魚)被鱗体長10〜13cm(1歳魚)主体。 <予測の説明> 全国的には資源は高い状態が続いているものの、0歳魚は全国のシラス漁をみると鹿児島県を除いて前年を下回っている。1歳魚は駿河湾では5月以降も水揚されているが、前年を下回っている。相模湾では夏期を中心とした漁であるが、前年をやや下回ると推察されている。 シラスは、九州、四国では比較的好漁であったが、伊勢湾以東は前年を下回ったところが多かったこと、さらに、各県で実施したこれまでの調査から推定される本州太平洋岸の産卵量が昨年を下回っていることから、前年を下回ると考えられる。また、10月以降に黒潮がA型流路になると予測されていることから、暖水波及による一時的な好漁に繋がる可能性がある。
注:本文中の年齢は全て2006(平成18)年1月1日を基準とする。
太平洋沿岸全体の予報については、水産庁のホームページに掲載されています。 「水産庁ホームページ」→「プレスリリース」→「平成17年度第3回太平洋イワシ・アジ・サバ等長期漁海況予報」へアクセスしてください。 |
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