待合室「ふきゅう」 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 平成18年1〜6月の県内漁海況予測
静岡県内における漁海況予測(平成18年1〜6月) ※平成17年度第2回長期漁海況予報会議における予測文を参照 平成17年12月20日 静岡県水産試験場 (1)黒潮 期間を通してN型基調で推移する。 (2)沿岸水温 黒潮の離接岸変動に伴って沿岸域へ一時的に暖水が波及することがある。伊豆諸島南部海域は継続して黒潮の外側域に入る。
<予測の説明> 現在の黒潮は、都井岬沖〜潮岬沖で接岸傾向にあり、潮岬以東では遠州灘沖33゚N付近を東へ向かい八丈島の北を通過して房総沖を北東へ流れるN型流路で推移している。 ※平年並み=平年値±0.5℃、やや高め・やや低め=平年値±1.0℃、高め・低め=平年値±1.5℃、かなり高め・かなり低め=平年値±2.5℃
対象漁業 : 伊豆諸島海域における、棒受網・たもすくい網漁業
(1)来遊量 マサバ2歳魚は前年を上回る。マサバ3歳以上は前年を下回る。主体となるゴマサバ2歳魚は前年を上回り、1歳魚は前年を下回る。3歳以上は少ない。ゴマサバ全体としては前年をやや上回る。サバ類全体としては、前年を上回る。 (2)漁期・漁場 期を通じて三宅島周辺を中心に漁場が形成される。伊豆諸島北部海域でゴマサバの漁場形成があった場合、マサバが混獲される。 (3)魚体 ゴマサバの体長は、27〜32cm(2歳魚)主体に32〜36cm(3歳魚)と30cm以下(1歳魚)が混じる。マサバは28〜33cm(2歳魚)が主体で、33cm以上(3歳以上)が混じる。 <予測の説明> マサバ 2歳魚の加入量は、卓越年級群の1996年級群に次ぐ水準と考えられ、残存資源量も依然高水準にあると推察され、伊豆諸島海域で2歳魚主体に前年をやや上回ると考えられる。また、1歳魚の漁獲加入状況は、和歌山県以西では順調であるが、三重県以東ではそれほど多くなく、その来遊水準は、好調であった前年を下回るものと考えられる。 ゴマサバ 4歳以上の残存資源量は少なく、3歳魚の残存資源量も前年同期の3歳魚より少ない。2歳魚の資源量は、近年では高く1992年級群に準ずる水準と考えられ、一部は成熟し房総以南へも来遊するものと考えられる。1歳魚の加入量は前年の1歳魚を下回ると考えられる。
<対象漁業> 遠州灘、駿河湾、相模湾のまき網、定置網 (1)来遊量 低水準の前年並み。 (2)漁期・漁場 全期間にわたり散発的な漁で終始する。 (3)魚体 被鱗体長15〜18cmの1歳魚主体。 <予測の説明> 1歳魚は、2005年10月以降の漁獲主体であり、引き続き漁獲主体となると考えられるが、2005年春におけるシラスとしての漁獲は依然低水準であり、その後の漁況からも資源量水準は高くないと考えられる。2歳魚は2005年の間1歳魚としての漁獲尾数が非常に少なく、残存資源量も極めて少ないと考えられる。3歳魚は現在漁獲が少なく、残存資源量は少ないと思われる。0歳魚に関する情報は無いが、これを生み出す親魚資源量水準が低いため、高い加入量水準は期待できない。
<対象漁業> 駿河湾、相模湾のまき網、定置網 (1)来遊量 好調だった前年を下回る。 (2)漁期・漁場 沿岸域を中心に全期間。 (3)魚体 被鱗体長10〜12cmの1歳魚主体。 <予測の説明> 2005年において、卵の出現状況は2004年を下回ったもののシラスが順調に漁獲され、沖合域に未成魚が多く分布していたことから、1歳魚の年級豊度は近年の中では高水準と考えられる。しかしながら、静岡県では未成魚としての出現がこれまで少なく、沿岸域において1歳魚の来遊は多くないと見込まれる。2歳魚の年級豊度は近年の中ではかなり低い水準であり、2005年夏以降、成魚の漁獲が少ないことからも、2歳魚以上の来遊水準は低いと考えられる。したがって好調だった前年を下回ると見込まれる。
注:本文中の年齢は全て2006(平成18)年1月1日を基準とする。
太平洋沿岸全体の予報については、水産庁のホームページに掲載されています。 |
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