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認知度上がったキンメダイ (平成20年9月9日 掲載)

広域的な資源管理実践

キンメダイ

キンメダイ

キンメダイは煮付けや鍋、近年では刺し身、シャブシャブ、寿司など料理方法も多岐にわたり、全国的に認知度の高くなった食材である。認知度が上がり漁獲量が増すと、資源が減っていつか食べられなくなってしまうのではないかと心配になるが、キンメダイ漁業では、安定的にかつ永続的に漁獲することができるように資源管理をしている。

静岡県では漁業者が自主的に資源管理を実施してきた。水深100〜800メートルに生息するとされるキンメダイの、小型魚の保護のために、水深200メートルより浅い所での漁や夜間の操業を自粛したり、全長28cm以下のものを釣っても放流するといった、自主的な取り組みを行ってきた。そのため、現在キンメダイの資源水準は中位で、資源動向は横ばいと考えられている。

しかし、漁獲している地域は他に、千葉、東京、神奈川、高知などが挙げられ、静岡県沖などでキンメダイに標識を付けて放流した結果から、南は伊豆諸島沖、西は高知や奄美大島沖で再捕され、大変広い範囲を移動していることが分かっている。このことからも、広域的な資源管理を必要とする。

平成19年度から静岡、千葉、東京、神奈川による「太平洋南部キンメダイ資源回復計画」が始まり、資源水準を現状以上のレベルに安定させるためのさまざまな取り組みが実践されている。

キンメダイは寿命が20年以上と長いため、いったん資源が減ってしまうと再び増えるのに長い時間がかかる。キンメダイは一本釣り漁業の重要な資源である。漁獲から消費まで、多くの関係者が取り組みを考える必要がある。

(県水産技術研究所伊豆分場副主任 飯沼紀雄)

 

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