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静岡県水産技術研究所


水技研らいぶらりぃ

 水技研らいぶらりぃ パンくずリスト矢印 水技研デジタルアーカイブス:さかなあれこれ パンくずリスト矢印 海の天気図

海の天気図 (平成20年7月1日 掲載)

高精度、漁業や海洋レジャーに

関東・東海海況速報

図 関東・東海海況速報

広い海の中、魚は潮目に集まる傾向があります。潮目とは暖かい海水と冷たい海水が接するところで、海水温の分布から推察することができます。

水産技術研究所では、昭和60年から、東京都、千葉県、神奈川県の水産研究機関と協力して、伊豆諸島海域を中心とした「一都三県漁海況速報」という、海水温の分布や海流の様子を表した海況図を作成し、海の天気図として多方面で利用されてきました。しかし、範囲が狭いことや基になるデータ数が少ないこと、さらには梅雨の時期などは雲の影響を受けてNOAA衛星の画像が得られないことからの精度低下が課題となっていました。

そこで、平成17年度から3か年、農林水産省農林水産技術会議の委託研究費を活用して静岡県が中核機関となり、三重県、和歌山県を加えた一都五県の水産研究機関と東京海洋大学などが共同して、広範囲でより精度が高い海況図の開発に取り組みました。その結果、平成20年4月から「関東・東海海況速報」として、実に23年ぶりに新しい海況図を発行することになりました。

新しい海況図は海域が拡大し、水温情報の質と量が向上。水温分布が1℃間隔から0.5℃へ、そしてカラー表示になったことが大きな特徴です。各都県で収集した実測値を集約、これに気象庁や衛星による水温を合成処理して、海況図の基になる3.5km間隔の高精度な格子データを作成します。特に雲があっても情報が入手できるAQUA衛星を利用することで、天候に左右されない高精度なデータを作成することができます。

各種水温情報は当日の午前中に集約・合成し、午後から作図。0.5℃単位で広範囲の水温分布と黒潮流路をより正確に描き、午後4時過ぎの完成となります。この作業は一都五県が4週間ごとに当番制で行います。

この海況図による的確な漁場判断で効率的な漁業が行われるとともに、海洋レジャーなど一般の方にも利用が進むことを期待します。

水産技術研究所のホームページ:https://fish-exp.pref.shizuoka.jp/

携帯電話:https://fish-exp.pref.shizuoka.jp/mobile/

ファクシミリのポーリング機能を利用すれば、白黒の海況図入手可能。

ファックス番号:054-629-7350、パスワードは0000(ゼロ4つ)。

(県水産技術研究所主任研究員・萩原快次)

 

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