水技研らいぶらりぃ 水技研デジタルアーカイブス:さかなあれこれ 県内産ゴマサバ
県内産ゴマサバ (平成19年1月9日 掲載) 春の産卵控え今が旬
最近では魚屋やスーパーなどにノルウェーなどから輸入されたサバがたくさん出回っていますが、静岡県にもたくさんのサバが水揚げされていることは御存知でしょうか。静岡県周辺の海では、まき網、棒受網、たもすくい、定置網や釣りなどによってサバが漁獲され、平成16年には全国第1位の漁獲量を記録し、小川、沼津、伊東などの県内市場への水揚げは、年間3万6千トンから6万5千トンにもなり、全国の水揚量の10〜15%程度を占めています。また、水揚げされたサバは、鮮魚として出荷されるほかに、塩サバ、さば節を始めとした加工原料としても地元で利用されています。 普段、皆さんが食べられている「国内産のサバ」には、マサバ、ゴマサバの2種類がありますが、マサバはゴマサバに比べて体が平たいのでヒラサバとも呼ばれ、一方、ゴマサバは体がやや丸みを帯びているためマルサバとも呼ばれています。 マサバは、伊豆諸島周辺海域を主な産卵場とし、太平洋側を南北に回遊していますが、その資源は減少していて、県内への水揚げも千トン以下と少なくなっています。 ゴマサバは、体側腹面下部に名前の由来とも言われるゴマ粒のようにも見える黒い斑点があり、東シナ海や伊豆諸島海域を産卵場とし、マサバに比べ暖海性、沖合性の魚といえます。近年、その資源は比較的高い水準にあり、県内に水揚げされるサバの大半がゴマサバで、漁獲の主体となる平成16年生まれの2歳魚が食べ頃の大きさになっています。 昨年の10月には、県内の代表的なサバの水揚港である小川港において、「さば祭り」が開催され、1万人の来場者にゴマサバの炭火焼きが振る舞われるなど、地元産のゴマサバを知ってもらう取組も行われています。ゴマサバは一年を通して水揚げされますが、春の産卵を控え、秋〜冬にかけては脂が乗り旬を迎えます。これからの時期、大きくなり脂の乗ったおいしいゴマサバが水揚げされてきますので、新鮮な「県内産のゴマサバ」に注目し、味わってみてください。 (水産試験場漁業開発部 主任研究員 森 訓由)
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