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ワカメ (平成15年3月24日 掲載)

 

天然のほかに養殖もされるワカメ

天然のほかに養殖もされるワカメ

試験場に見学にきた子供達に「味噌汁に入っている海藻は何?」とたずねると、必ずワカメと答えが返ってきます。海苔(のり)と並んでワカメは日本人に最も知られ、親しまれている海藻です。でも、本当のワカメの姿を皆さんは知っていますか?

ワカメは味噌汁の中では緑色ですが、体の中に茶色の色素を持つ褐藻の仲間なので、海の中では(生時には)褐色です。そして、最大で1mを越える大型の海藻ですが、ある季節には顕微鏡でないと見つからない大きさになってしまいます。晩春にワカメの成実葉(“みみ”または“めかぶ”)から遊走子が放出されます。遊走子はすぐ発芽して配偶体となり夏を越します。遊走子、配偶体とも小さく顕微鏡でないと見えません。水温が低下してくると配偶体に卵と精子ができ受精して、胞子体となります。晩秋から冬にかけて胞子体は徐々に大きくなり、人の目に触れるようになってきます。これが皆さんの食べているワカメです。このようにワカメを海の中で見ることができるのは冬から春だけなのです。

静岡県内では天然のワカメを漁獲するほか、ワカメ養殖が行われています。養殖では年に200トンほど生産を上げており、熱海の多賀地区、下田の下田・吉佐美地区,南伊豆の子浦地区、榛南の坂井平田・地頭方地区で行われています。海の生物で一生の全てを人の手で管理できる生物は多くなく、ワカメはその数少ない生物です。12月頃にワカメの芽のついた種ロープを海に出します。ワカメは冷たい海水中ですくすくと生長し、大きくなります。2〜3月にかけてワカメが生長し重くなったロープを引き上げて収穫します。これらの地区では収穫の季節になるとワカメを干している風景が見られます。

ワカメには野菜と比べてミネラルが多く、また、大量に含まれているアルギン酸という食物繊維は糖尿病予防や高血圧低下、コレステロール低下に役立ち、整腸作用があります。ワカメを食することは健康増進につながります。

(水産試験場伊豆分場主任研究員 長谷川雅俊)

 

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