滑走細菌性鰓病
<原因>
細菌性の疾病。原因細菌はCytophaga属の一種。グラム陰性の長桿菌(0.5×2〜5?m)で滑走細菌特有の屈曲運動と滑走運動をする。類似菌であるFlexibacter columnarisに 比べると生化学的性状が明らかに異なるほか、適水温がやや低いこと、滑走運動がより顕著で寒天平板上に薄く広がったコロニーを作ること、鰓の上ではカラム 状集落が顕著でなく、菌が鰓全体に拡散しており、肉眼でわかるような菌集落はつくらないことなどが特徴としてあげられる。
<症状>
かつての露地池養鰻において、低水温期、とくに10〜11月の下降期と3〜4月の上昇期に、鰓薄板の毛細血管の過度のうっ血ないし出血、および鰓薄板の癒着に伴う鰓弁の棍棒化、ないし壊死を特徴として発症した。初期の病魚の鰓には多数の長桿菌の存在が観察される。
参考文献
(若林久嗣:淡水魚の低水温性滑走細菌症.魚病学(江草周三編)恒星社厚生閣より)
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