水産試験場 伊豆分場

研究のねらい

 近年、マダイ資源の増加させるために栽培漁業が進められており、人工孵化させたマダイ稚魚が毎年100万尾以上放流されている。マダイ資源を継続して利用していくためには、稚魚の放流効果を把握するとともに、資源を管理しながら漁獲する必要がある。マダイ資源の遺伝的特性を把握することにより、天然資源の特性を考慮した放流や資源管理を行うことができる。

研究の成果

 PCR法により増幅させたミトコンドリアDNAの多様度を海域別に調査した結果、県内のマダイ資源には遺伝子のタイプが50種類以上存在しており、おおむね多様性が維持されていた。また、海域による遺伝子タイプの組成に大きな違いはなく、海域間を移動・回遊等により交流していることがわかった。今後、現在の遺伝的特性を維持させるような放流や資源管理を行っていく必要がある。