水産試験場浜名湖分場

研究のねらい

 魚介類は、餌となる生物が少なければ、生息する数も限定されてしまうし、天敵となる食害生物が増えれば、生息数が減少してしまう。より生産性の高い漁場を創出するための生物学的資料とするため、浜名湖庄内湾に生息する有用生物をはじめとする生物群について、それらの餌生物や生物間での相互関係等を明らかにする。

研究の成果

 庄内湾で漁獲されたスズキとマハゼ、クロダイおよびクルマエビの胃の内容物を調べた。スズキとマハゼは甲殻類と魚類を主に食べていた。スズキやマハゼが食べていた甲殻類で多かったのは、アミやヨコエビおよびエビ類であり、魚類で多かったのはカタクチイワシやビリンゴであった。クルマエビでは空胃個体が多かったが、その他の個体では甲殻類や魚類および貝類を食べていた。クルマエビが食べていた甲殻類ではヨコエビ類、魚類では魚のウロコ、貝類ではホトトギスガイが多かった。クロダイの胃内容物は、種類が特定できない肉片が多く、次いで、魚類と甲殻類が多かった。

 


ひとくちメモ

食物連鎖と生物生産量:自然界ではより弱くより小さな生物は、より強くより大きな生物に食べられていく。このような関係を食物連鎖という。ある生物が増えるためには餌となる生物も増えなければならない。