静岡県水産・海洋技術研究所 浜名湖分場


魚病情報

 魚病情報 パンくずリスト矢印 アユの疾病 パンくずリスト矢印 真菌性肉芽腫症

真菌性肉芽腫症

<原因>

真菌性の疾病で、ミズカビ類の一種であるAphanomyces piscicidaの体側筋への寄生によって発生する。7〜8月以降に発生しやすい。発病しても急激に大量死することはないが、死亡が長期にわたって継続し、アユの商品価値もなくなる。

<症状>

発病初期に見られる外観的な症状は体表の出血点を伴うふくらみである。やがてその部分の皮膚には出血斑が現れ、表皮はびらんして立鱗状態となる。さらに症状が進行すると、表皮がはげて赤色の筋肉が露出する例や、逆に魚体内奥部にカビの菌糸が侵入し、腹膜を通って内臓周辺にまで達する例がある。本症の場合、カビ菌糸はアユの筋肉内が発育するため、体表にはほとんど現れない。なお、8月以降の成熟期に近くなって発病することが多いことから、生理的な変化が感染を助長しているとも言われている。

<治療>

現在のところ本症に対する治療方法はない。間違って抗菌剤を投与すると逆に病勢を強め死亡の増大を招く恐れがあるので注意する必要がある。

<予防>

感染経路やその他の発生条件が明らかでないため的確な予防方法はなく、一般的な防疫対策で対処するしかない。汚染された飼育環境で発病しやすいとも言われているので、高密度飼育を避けるとともに、環境汚染の防止に努める必要がある。

<参考資料>

(魚類防疫技術書シリーズUアユの魚病((社)日本水産資源保護協会)より)

 

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