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静岡県水産・海洋技術研究所


海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果

 待合室「ふきゅう」 パンくずリスト矢印 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 パンくずリスト矢印 平成29年1月〜6月の県内漁海況予測

静岡県内における漁海況予測(平成29年1〜6月)

※平成28年度第2回長期漁海況予報会議における予測文を参照

平成29年1月4日 静岡県水産・海洋技術研究所

1.海況

(1)黒潮

1月〜5月は小規模なB型・C型で変動する。6月に安定したB型になる。

(2)沿岸域

期間をとおして、遠州灘〜伊豆諸島北部海域には暖水が波及する。ただし、1月〜5月は一時的に冷水域に覆われることがある。沿岸水温は「平年並」〜「高め」で推移するが、1月〜5月は一時的に低めとなることがある。
伊豆諸島南部海域は、概ね暖水域に覆われるが、一時的に冷水域に覆われることがある。沿岸水温は概ね高めで推移するが、一時的に「低め」となることがある。

 

黒潮流型図

<予測の説明>

現在の黒潮は、八丈島付近を通る小規模なB型・C型で変動している。海面高度と都井岬の黒潮離岸距離との関係を用いて予測した都井岬沖の黒潮流軸は、3月中旬まで接岸傾向で、3月下旬に離岸傾向になる(小蛇行の形成)。都井岬沖で形成された小蛇行は6月に遠州灘沖に到達して安定したB型になり、それ以前は、現在と同様に小規模なB型、C型で変動すると予測した。
黒潮流路は、B型、C型で変動するため黒潮内側域への暖水波及はおきやすく、暖水波及時には沿岸水温は高くなると予測した。また、房総沖での黒潮の離接岸に伴う親潮系冷水の南下時は、沿岸域は一時的に冷水に覆われると予測した。

 

※平年並み=平年値±0.5℃程度、やや高め・やや低め=平年値±1.0℃程度、高め・低め=平年値±1.5℃程度、かなり高め・かなり低め=平年値±2.5℃程度。

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2.マサバおよびゴマサバ

予測海域 : 伊豆諸島周辺海域

対象漁業 : 棒受網漁業、たもすくい網漁業 

(1)来遊量

マサバ2歳魚(2015年級群)、3歳魚(2014年級群)は前年を下回る。4歳魚(2013年級群)は前年を上回る。マサバ全体としては前年を上回る。ゴマサバ1歳魚(2016年級群)は前年を上回る。2歳魚(2015年級群)は前年を大きく下回る。3歳魚は前年を上回る。ゴマサバ全体としては前年を下回る。サバ類全体としては前年を上回る。

(2)漁期・漁場

マサバの漁場は、漁期当初の1月下旬ごろは三宅島周辺海域を中心に形成される。また、盛漁期には銭洲周辺海域にも形成される。ゴマサバは期間をとおして三宅島周辺海域、銭洲周辺海域が主漁場となる。

(3)魚体

マサバは28〜33cm(4歳魚)主体に、27〜32cm(3歳魚)、34cm以上(5歳以上)も漁獲される。ゴマサバは、25〜30cm(1歳魚)および30〜35cm(3歳魚)主体に、28〜34cm(2歳魚)、33〜38cm(4歳魚)も漁獲される。

※大きさは尾叉長

 

<予測の説明>

マサバ:マサバ太平洋系群の資源量は増加傾向にある。漁獲の主体となる4歳魚は資源水準が卓越して高いが、成長が遅く、近年の4歳 魚と比較して極めて魚体が小さい。2,3歳魚の来遊量は前年を下回ると予測されるが、残存資源が多い4歳魚が主体となることから、マサバ全体としては前年を上回ると考えられる。
ゴマサバ:ゴマサバ太平洋系群の資源水準は、1990年代以降高水準にあるが減少傾向である。今期は、前年漁期後半に漁獲の主体となった1、3歳魚が引き続き漁獲の主体となり、2、4歳魚も次いで漁獲される。棒受網漁船の前年漁期後半のCPUEとその翌年の漁期前半のCPUE との関係から、ゴマサバ全体としては前年を下回ると予測される。また、マサバの漁場形成が本格的になった場合には、マサバに混獲される程度になる。

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3.マイワシ

<対象漁業> 

 成魚・未成魚(遠州灘〜相模湾のまき網、定置網)
 マシラス(遠州灘〜駿河湾の船曳網)

(1)来遊量

 (未成魚・成魚)前年並〜上回る。

(2)漁期・漁場

 (未成魚・成魚) 全期間にわたり漁獲される。

(3)魚体

 まき網では体長13cm以上の1歳魚(2016年級群)以上が主体で、定置網では体長10cm未満の0歳魚(2017年級群)が主体。

※大きさは尾叉長

 

<予測の説明>

  マイワシ太平洋系群の資源は増加傾向である。1歳魚の資源水準は高いと推定されている。また、0歳魚の資源水準も、近年のマイワシ資源量が増加傾向であることから、比較的高いと考えられる。よって、来遊量は前年並〜上回ると予測される。

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4.カタクチイワシ

<対象漁業> 

 未成魚・成魚(遠州灘〜相模湾のまき網、定置網)
 カタクチシラス(遠州灘〜駿河湾の船曳網)

(1)来遊量 前年並〜下回る。

(2)漁期・漁場 (成魚・未成魚) 全期間にわたり、散発的。

(3)魚体 体長12cm未満の1歳魚(2016級群)が主体。

※大きさは尾叉長

 

<予測の説明>

 カタクチイワシ太平洋系群の資源量は減少傾向にあり、1歳魚の資源水準も低いものと推定されている。よって、来遊量は前年並〜下回ると考えられる。


※サバ類・イワシ類の年齢は年初に加齢。(2016年1月〜12月生まれは、2017年1月1日に1歳)

    

 

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注:0歳魚(平成29年級群)、1歳魚(平成28年級群)、2歳魚(平成27年級群)、3歳魚(平成26年級群)、4歳魚(平成25年級群)

 

太平洋沿岸全体の予報については、水産研究・教育機構中央水産研究所のホームページに掲載されています。

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