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静岡県水産・海洋技術研究所


海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果

 待合室「ふきゅう」 パンくずリスト矢印 海況、資源動向の情報:長期予報会議開催結果 パンくずリスト矢印 平成27年1月〜6月の県内漁海況予測

静岡県内における漁海況予測(平成27年1〜6月)

※平成26年度第2回長期漁海況予報会議における予測文を参照

平成27年1月19日 静岡県水産・海洋技術研究所

1.海況

(1)黒潮

概ねC型で推移する。3月と5月に小蛇行の東進に伴い一時的にB型となる。

(2)沿岸域

伊豆諸島北部海域は、概ね冷水域に覆われる。黒潮流路の変動に伴い、3月と5月に内側域への暖水波及がある。本県沿岸域は「平年並」〜「やや低め」で推移し、暖水波及時には「高め」となる。伊豆諸島北部海域〜相模湾は、「平年並」〜「低め」で推移し、暖水波及時には「高め」となる。

伊豆諸島南部海域は、「低め」で推移する。3月と5月には一時的に「高め」となる。

黒潮流型図

<予測の説明>

黒潮流路は、現在C型で推移しており、今後もC型基調で推移する。都井岬沖では1月と3月に一時的に離岸して小蛇行が発生する。これが3月と5月に潮岬の東まで進み、黒潮流路が一時的にB型になると考えられる。本県沿岸域の水温は、C型流路の時には「平年並」〜「やや低め」となることが多いが、内側反流の発達や暖水波及時には「高め」となる。

※平年並み=平年値±0.5℃程度、やや高め・やや低め=平年値±1.0℃程度、高め・低め=平年値±1.5℃程度、かなり高め・かなり低め=平年値±2.5℃程度。

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2.マサバおよびゴマサバ

予測海域 : 伊豆諸島周辺海域

対象漁業 : 棒受網漁業、たもすくい網漁業 

(1)来遊量

マサバ2歳魚は前年を上回る。3歳魚は前年を下回る。4歳魚は前年を下回る。5歳魚は前年を上回る。マサバ全体としては前年並。ゴマサバ1歳魚は前年を下回る。2歳魚、3歳魚は前年を上回る。ゴマサバ全体では前年を上回る。サバ類全体としては前年を上回る

(2)漁期・漁場

マサバは伊豆諸島北部海域が主漁場となり、三宅島周辺海域にも漁場が形成される。ゴマサバは期を通じて三宅島周辺海域が主漁場となるが、マサバに混獲される場合には伊豆諸島北部海域にも漁場が形成される。

(3)魚体

マサバは、30cm〜32cm(2歳魚)と35cm以上(4、5歳魚)が主体。ゴマサバは28〜34cm(2、3歳魚)主体に24〜27cm(1歳魚)、34cm以上( 歳魚)も混じる。

※体長は尾叉長

<予測の説明>

マサバ

マサバ太平洋系群の資源水準は1990〜2000年代に低水準であったが、近年の加入量水準の高い年級群により資源量は増加している。1歳魚の加入水準は卓越して高い水準と判断され、2歳魚の加入水準は近年では比較的高い。3歳魚の加入水準は近年の平均を下回る。4歳魚、5歳魚の加入水準は高く残存資源量は近年としては多い。伊豆諸島周辺海域では北部海域が主漁場となり、2歳魚を主体に、残存資源が近年では多いとされる4、5歳魚が漁獲される。

ゴマサバ

ゴマサバ太平洋系群の資源水準は、1990年代以降高水準にある。加入水準をみると1歳魚は近年では比較的高い水準と推定され、2歳魚は比較的高い水準、3歳魚は近年の平均を上回る、4歳魚は近年では比較的高い水準と考えられているが、残存資源量は少ないとされる。5歳魚は近年では高い水準で、残存資源も近年としては多いとされる。伊豆諸島海域では三宅島周辺が主漁場となり、2、3歳魚を主体に1歳魚も漁獲される。また4歳魚以上も混じる。

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3.マイワシ

<対象漁業> 

成魚・未成魚:駿河湾〜伊豆東岸のまき網、定置網

(1)来遊量

成魚・未成魚:前年並〜上回る。

(2)漁期

成魚・未成魚:期を通じて漁獲される。

(3)魚体

成魚・未成魚:18cm〜22cmの2歳魚を主体に14cm〜18cmの1歳魚が混じる。

<予測の説明>

マイワシ太平洋系群の資源量は1994年に100万トンを下回り、1999年まで70万〜90万トン台で推移した後、再び減少傾向となった。2002年以降は20万トン未満で推移していたが、近年は増加傾向である。県内では8月以降に13cm〜20cmの1歳魚以上が漁獲され、10月を除いてまとまった水揚げがあった。今後、来遊が期待される1歳魚、2歳魚は房総海域から南下群として来遊すると考えられるが、2歳魚は比較的高い豊度と考えられており、1歳魚は現時点では判断できないものの特に低い豊度とは考えられていない。これらのことから、今期は前年並〜上回ると予測される。

※体長は被鱗体長

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4.カタクチイワシ

<対象漁業> 

成魚・未成魚:駿河湾〜伊豆東岸のまき網、定置網

(1)来遊量

成魚・未成魚:前年並〜下回る。

(2)漁期・漁場

成魚・未成魚:4月以降に漁獲される。

(3)魚体

成魚・未成魚:10cm〜14cmの1歳魚と2歳魚。

<予測の説明>

カタクチイワシ太平洋系群の資源水準は中位であるが、直近5年間で減少傾向である。2歳魚は東北区水産研究所、中央水産研究所の調査結果から低水準で今後もほとんど漁獲対象とならないとされている。1歳魚についても調査が行われているが資源水準の判断にはさらに情報が必要なため現段階では判断できない。本県においては、当期は房総海域からの南下群を漁獲すると思われるが、これまでの漁況、資源豊度から前年並〜下回ると予測される。シラスについては3月に予測する。

※体長は被鱗体長

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注:0歳魚(平成26年級群)、1歳魚(平成25年級群)、2歳魚(平成24年級群)、3歳魚(平成23年級群)、4歳魚(平成22年級群)

 

太平洋沿岸全体の予報については、水産庁のホームページに掲載されています。
「水産庁ホームページ」→「報道発表資料」→「平成25年12月分」→「平成25年度第2回太平洋いわし類・マアジ・さば類長期漁海況予報」へアクセスしてください。

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