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静岡県水産技術研究所


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黒はんぺん (平成20年5月6日 掲載)

加工技術進み昔の味も

黒はんぺん
 

B級グルメとして最近マスコミにも頻繁に取り上げられ、全国的な知名度も上がった静岡おでんですが、その静岡おでんに欠かせない具材が黒はんぺんです。

この黒はんぺんは静岡県、それも中部地域周辺で製造・消費されてきた特産品です。一般に世間ではんぺんと言えば、白身魚のすり身に山芋をすり下ろしたものを加えた、ふんわりとした食感の白いはんぺんですが、本県の黒はんぺんはサバやイワシなどの赤身魚を主原料にした練り製品で、文字通り黒みがかった色合いと赤身魚独特の強い魚の旨味が特徴です。また、頭と内臓を除く、魚体すべてを原料としているため、とても栄養豊富な食品です。

このように特産品として県民に親しまれている黒はんぺんですが、近年では消費者の好みに合わせて、より食べやすくするため、白身魚のすり身を加えたり、原料から骨を除いたりする一方、マイワシが獲れなくなって原料に使えなくなってしまったことで、昔の黒はんぺんとは見た目も味も変わってきています。特に原料にマイワシが使えなくなってしまったことが、大きな影響を与えています。

そこで、水産技術研究所では獲れなくなってしまったマイワシの代わりに、カタクチイワシを使って黒はんぺんを作りました。カタクチイワシは小さい魚ですので1匹ずつ頭や内臓を取り除くことができません。そこで、頭や内臓を取らずに丸ごと潰してすり身にする技術を開発しました。この方法で製造されたすり身には、内臓特有の生臭みや苦みがほとんど残りませんので、言われないと頭や内臓が入っていることが分からないでしょう。

カタクチイワシすり身とサバを半分ずつ使った黒はんぺん(写真右)と、一般に市販されているサバが主原料の黒はんぺん(写真左)です。このカタクチイワシすり身の黒はんぺんを試食して頂いた方の評価は、旨味があって色も黒く、懐かしい味がする、昔の黒はんぺんを思い出すというものでした。

今回開発した魚を丸ごとすり身にする技術は、カタクチイワシ以外の他の魚にも応用できます。また、頭や内臓を除去しないため、残さい(生ごみ)が発生せず、資源の有効利用、環境負荷の軽減にも寄与すると考えています。

(県水産技術研究所開発研究室・高木 毅)

 

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