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アカザエビ (平成20年4月1日 掲載)

親と同じ形態に早く成長

アカザエビ

アカザエビ

十脚目アカザエビ科のエビ類は、イタリア語で「スキャンピ」、フランス語で「ラングスチーヌ」、スペイン語で「シガラ」と呼ばれ、世界的に人気のある食材です。鋏脚(はさみあし)が長いことから「手長エビ」とも呼ばれる場合もありますが、河川に生息するテナガエビ類とは異なり、多くの種類が深海に生息します。世界にはノルウェーロブスター、ニュージーランドロブスターなど18種類のアカザエビの仲間が知られており、日本にはアカザエビ、ミナミアカザエビ、サガミアカザエビの3種類が生息します。特にアカザエビは、体長20cmに達する大型種で、千葉県沖から宮崎県沖の水深200〜400mの砂泥底に生息し、駿河湾では底引き網やエビ篭により漁獲され、水産上重要となっています。

アカザエビは価格が高く需要が多いものの、資源量は少なく漁獲量も減少傾向で、人工ふ化による稚エビの放流や食用サイズの育成など、増養殖の技術が必要となっています。

世界にいる18種類のスキャンピの中で、ふ化してから稚エビまでの人工飼育に成功したものは3種類しかなく、商業的な増養殖事例は見当たりません。県水産技術研究所では、海洋深層水を飼育に利用することにより、アカザエビの生残や卵のふ化率が向上することを確認し、ふ化してから稚エビまでの人工飼育に初めて成功しました。その結果、研究されているスキャンピ5種類の中で唯一、アカザエビはふ化直後の「ゾエア期」と呼ばれる減耗の多い生育段階がなく、早く親と同じ形態を持つ「稚エビ」に成長することがわかりました。そのため稚エビまでの生残率が他の種類と比較して非常に高く、今後の増養殖対象として大きな期待がもてました。

そこで、研究所では、海洋深層水を利用したアカザエビの本格的な養殖技術開発研究を平成19年度から開始しました。特に、低温で細菌が少ない海洋深層水で養殖されたエビは、食品としての安心・安全性も大きく期待されます。将来、「スキャンピ養殖」というオンリーワンの産業・事業を創出し、地域の活性化に貢献できればと考えています。

(県水産技術研究所主任研究員・岡本一利)

 

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