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静岡県水産技術研究所


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急潮 (平成20年3月4日 掲載)

発生予想し被害防止

波勝崎沖昇温と神津島の潮位上昇

 

駿河湾や相模湾の沿岸部では、「急潮」と呼ばれる秒速0.5m(1ノット)以上にも達する強い流れが突発的に発生し、定置網が流されたり、ダイビングを楽しんでいる人が危険な目に遭うことがしばしばあります。急潮を引き起こす原因はいくつかありますが、比較的多く発生するものとして、黒潮系暖水の流入が原因となっている急潮について紹介します。

黒潮は、赤道付近から時計回りに太平洋の西側を北上し、九州から四国、紀伊半島と岸に沿って流れ、千葉県から東方沖に離れていく暖かな強い海流です。その流路は曲がりくねる蛇行状態になることが多く、しかも短期的に変動します。本県の沖合で北向きの蛇行が起きたときに、黒潮が伊豆半島に接岸し、駿河湾や相模湾に黒潮の一部である暖水が流入することがあります。

黒潮の接岸は潮位の上昇として表れます。2006年(平成18年)4月に起きた黒潮系暖水の流入現象について、図1に伊豆半島の南方50km沖合にある神津島の潮位観測所のデータ、図2に駿河湾の東側入り口にあたる南伊豆町波勝崎沖に設置した自動観測ブイ「マリンロボ」の水温データを示します。図1では、4月19日ごろから25日まで右肩上がりのグラフで、潮位の急上昇が読み取れます。そして図2では、4月26日に水温が15℃から20℃へ一気に5℃ほど上昇しています。この水温の急上昇が黒潮系暖水の流入を示しています。この後、1〜2日遅れて駿河湾奥の沼津、由比などで水温の急上昇が観測されました。

このように、適当な場所で潮位や水温を監視することで黒潮の接岸による暖水流入を予測することができることがわかりました。県水産技術研究所伊豆分場では、あらかじめ的確な注意報を出して漁業被害やダイバーなどの人的被害を防止できるよう、急潮の発生メカニズムを解明し予測を実用化する研究に取り組んでいます。

(県水産技術研究所伊豆分場研究主幹・藤田信一)

 

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