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定置網とブリ (平成19年9月4日 掲載)

静岡の漁獲減少に歯止め

定置網とブリ

ブリというと一般的に冬の魚で、日本海に面する富山県氷見の定置網漁などが有名ですが、伊豆でもかつては定置網でたくさんのブリが捕れました。ブリの漁獲が全盛のころには、伊東で定置網をやっている方が千葉県の鴨川でも定置網を行い、ブリを漁獲したという景気のよい話も聞いたことがあります。しかし、最近はごくまれにしかブリ大漁の光景を見かけなくなってしまい、定置網での漁獲はアジ・サバ主体に移っています。

ブリはご承知のように出世魚と呼ばれ、地方で異なりますが、静岡県などでは「わかし」、「いなだ」、「わらさ」、「ぶり」と、成長に伴って呼び名が変わります。伊豆の「ぶり」とは体重6kg以上(3〜4歳魚以上)のものを呼びますが、その漁獲がどのように推移してきたのか、伊豆の定置網の漁獲尾数と全国の漁獲量を図に示しました。伊豆については1960年頃から大きく減少していますが、全国の漁獲量は減少傾向が全く見られません。つまり、全国的には減っていないのに、静岡だけ減っていることになります。同じ相模湾を漁場とする神奈川県の定置網でも同じ現象がみられます。

これは、どういうことなのでしょうか?

最近の標識放流の結果では、三重県から北上してくるはずの群が伊豆まで来なくなっており、海洋環境が変化したためブリの回遊範囲が変わってしまい伊豆まで来なくなったという説もあります。また、他県で「いなだ(1歳魚)」を大量に捕っているために魚が回って来なくなったと言う人もいますが、今のところ真相はよく分かりません。出世魚だからといって、少数の精鋭しか出世しないのもちょっと困りものです。

しかし、このところ少しずつですが、「いなだ」や「わらさ(2歳魚)」が伊豆の定置網に入る量が増えてきました。このようなブリ資源の増加傾向を後押しするように、夏から秋に獲れる小さな「わかし(零歳魚)」を大切に保護することで、ブリが昔のように復活してくれることを願っています。

(県水産技術研究所伊豆分場主任 御宿昭彦)

 

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