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ノコギリガザミ (平成19年8月7日 掲載)

―ブランド化へ漁獲増図る―

トゲノコギリガザミ

トゲノコギリガザミ

浜名湖の特色ある漁獲物の一つに、全国的にも珍しいノコギリガザミがあります。ワタリガニの仲間で、甲幅15p、体重1s前後に成長しますが、中には甲幅20p、体重2sを超えたものの報告もある、大きなはさみを持った大型のカニです。甲羅の縁がノコギリの歯のようになっていることからその名が付いたようですが、地元浜名湖では甲羅(胴)が丸いことから「こうまる」や胴丸がなまって「ドーマン」と呼ばれています。

もともと熱帯から亜熱帯の内湾や河口域の泥底域に生息するため、諸外国では「マッド(泥)クラブ」や「マングローブクラブ」と呼ばれています。日本では利根川以南に分布していますが、漁業の対象になるほど漁獲量が多いところは、浜名湖以外では沖縄県八重山諸島や高知県浦戸湾など数えるほどしかありません。全国的に漁獲量は少なく、また濃厚な味で美味であることから、市場価値がとても高いカニです。浜名湖周辺の食事処でも食べることはできますが、大抵どこも時価や要予約ということで、気軽には食べられません。

ノコギリガザミには、甲羅やハサミの形、模様、色などが少し異なる、トゲノコギリガザミ、アミメノコギリガザミ、アカテノコギリガザミの三つの種類があります。浜名湖には3種類ともに生息していますが、漁獲物の9割以上はトゲノコギリガザミで、夏から秋にかけての漁獲が多く、水温が低下する冬期はほとんど漁獲されません。

浜名湖ではこの価値の高いカニの漁獲量を増やすために、県温水利用研究センターなどで人工的に生産された稚ガニの放流が漁業者の方々により積極的に行われています。その効果もあって、低水準ではあるものの右肩上がりの漁獲傾向となり、特にここ数年は毎年5〜6トンの漁獲量が維持され、「浜名湖ドーマン」として地域ブランド「やらまいか浜松」の一つに認定されました。

水産技術研究所浜名湖分場では、今後も漁業者の方々と協力して種苗放流を積極的に展開し、漁獲量の増加に努め、ウナギ、トラフグに次ぐ、第3の全国ブランドとしての地位を確立するよう努力していきたいと思います。

(県水産技術研究所浜名湖分場主任研究員 小泉康二)

 

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