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サメ (平成19年7月3日 掲載)

―海のギャングは重要食材―

ヨシキリザメ

写真 ヨシキリザメ

サメというと、読者の皆さんはアメリカ映画「ジョーズ」に登場する「ホホジロザメ」を思い浮かべ、多くのサメが強い顎や鋭い歯を持ち、人間やアザラシなどの動物を襲う凶暴な海のギャング、アウトロー的な魚であると思われるのではないでしょうか。さらに、多くのサメがジョーズのようにとても大きな魚(映画設定サイズ=全長13メートル)であると思っている方もおられるかもしれません。

確かに、ホホジロザメのように凶暴で大きな動物を食いちぎって捕食するサメもいます。しかし、実際に記録されているホホジロザメはせいぜい5−6メートルといった大きさのものが多く、すべてのサメが人間や小動物などを手当たり次第に襲う凶暴な性格の持ち主ではありません。世界一大きいといわれるジンベイザメ(全長18メートル)はオキアミなどの動物プランクトンを捕食していますし、ネコザメはサザエなどの貝類を食べていて、大きさも多くのサメは1〜3メートル程度です。現在、サメ類は494種類が確認されていますが、その分布は海域を中心に沿岸から沖合域まで、さらに表層から深海域までと広く、海だけでなく川の中にまで及んでいます。

サメはフカやワニとも呼ばれ、山陰の民話「因幡の白うさぎ」に出てくるように、日本人には古くから身近な魚であり、山間部で生活する人達のタンパク源として広く利用されてきたようです。サメのヒレを乾燥させたフカヒレは中華料理の高級食材として有名ですが、身の方もかまぼこ、竹輪、さつま揚げなどに加工され、おいしくて栄養的にも優れた食材の一つとなっています。写真のヨシキリザメも食用となるサメの代表格です。

このようにサメ類は、一般に知られている以上に多様な生態を持っている魚たちで、水産資源として人間の生活に役立っている魚でもあるのです。

(県水産技術研究所研究主幹 近藤 優)

 

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