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静岡県水産技術研究所


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かつお節と脂 (平成19年5月1日 掲載)

−脂肪量が品質を左右−

かつお節の原料となる凍結カツオ(左)とかつお節(右)

かつお節の原料となる凍結カツオ(左)とかつお節(右)

太平洋沿岸の漁港では、五月の連休を過ぎると近海で漁獲されるカツオの水揚げが盛んになり、初夏の到来を告げます。この時期のカツオは「初がつお」、「上りがつお」と呼ばれ、脂が少なくさっぱりしていることが特徴です。「上りがつお」は黒潮に乗って北上を続け、秋に三陸沖で漁獲される頃には脂の乗りがよく、「戻りがつお」などと呼ばれるようになります。

今では冷凍技術の発達により一年中カツオの刺身を食べることができます。しかし冷凍技術のなかった時代には、カツオは貴重なタンパク源でしたので、常温で長期保存させるためにかつお節の製造技術が生まれたと言われています。

静岡県は古くからかつお節の生産が盛んです。特に焼津地域は年間約1万トンのかつお節が生産され、鹿児島県枕崎市、山川町と並ぶ国内の三大生産地の一つです。

かつお節は、カツオを煮る、煙でいぶして乾かす、さらにはカビをつけて天日干しをするなどの処理により保存性を持たせています。原料として、「上りがつお」のような脂の少ないカツオが用いられてきました。それは、脂の多いカツオから製造したかつお節は「油節」と呼ばれ、保存性の低下、削り片の形くずれ、だし汁の濁りなどを生じるためです。現在では主に、熱帯地方の漁場でまき網漁法により大量に漁獲されるカツオが、脂が少ないと言われて用いられています。しかし、その中に脂の多いものが混じる場合があり、品質や生産効率の低下が起こり、かつお節業界で問題になっています。

そこで、静岡県水産技術研究所では水産総合研究センターと共同で、原料脂肪量とかつお節の品質について研究を行ってきました。脂肪量が異なるカツオを用いてかつお節を作り、製造業者が品質を評価したところ、脂肪量2%以下のカツオがかつお節原料に適し、3%以上では不適であることが分かりました。

静岡県水産技術研究所では、カツオの脂肪量を近赤外線などを用い非破壊で測定する研究を行っており、今回得られた結果をもとにかつお節に適した原料カツオを迅速に選別できるように、技術開発を進めています。

(水産技術研究所副主任 鈴木進二)

 

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