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カサゴ (平成17年9月6日 掲載)

種類多く、船釣りで人気

カサゴ

市場に水揚げされたカサゴ

カサゴという魚をご存知ですか?カサゴは写真のような魚で、頭は大きく棘があり、その大きな口でエビやカニ、魚などを丸のみにしてしまいます。生息している場所は波打ち際の岩の隙間から数十bの比較的深いところの岩場であり、体の色は深いところのものほど赤みが強く、浅いところのものほど黒っぽくなります。カサゴは、沿岸漁業にとって重要な魚で、伊豆では春から夏に漁獲量が多くなります。また、港内や磯で、また船釣り等の遊漁でも人気のある魚です。

ところで、カサゴの調査で魚市場に行くと、並んだ魚の中にカサゴとよく似た魚のいることに気付きます。例をあげると、ウッカリカサゴ、アヤメカサゴ、ユメカサゴ、イズカサゴ、ムラソイなどがいます。これらのよく似た仲間をどのようにして見分けるかを簡単に紹介します。ウッカリカサゴはその名の通り、うっかり見間違えるくらいカサゴとよく似ていますが、体の斑点模様などでカサゴと見分けることができます。アヤメカサゴは体に黄色の模様があることから区別できます。ユメカサゴは口の中が黒いことから漁業者は「のどぐろ」と呼んでいます。また、漁業者が「おにかさご」または「おに」と呼んでいるイズカサゴは体にひだが多く、背鰭の棘が長いのが特徴で、その棘には毒があります。それでも船釣りの遊漁の対象として人気の高い魚です。なお、標準名オニカサゴという別なカサゴもいるので、紛らわしいこと千万です。これらのカサゴの仲間はいずれも体色が赤っぽく、水深百b前後、またはそれより深いところで漁獲されています。一方、ムラソイは体色が黒っぽく、浅いところに生息しています。

このように魚市場でよく見かけるだけでもカサゴの仲間は5,6種類います。そして魚類検索図鑑では約100種類(フサカサゴ科)が示されており、さらに新種が増えてきています。まさに、カサゴあれこれです。

(県水産試験場伊豆分場技師 山田博一)

 

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