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アユ (平成16年8月3日 掲載)

河川環境が成長、産卵に影響?

アユ

遊泳するアユ

アユは別名「清流の女王」、「香魚」、「年魚」とも呼ばれていて、その名は、アユが清流に住み姿形が美しいこと、魚体に独特の香りがあり食べても香ばしいこと、1年でその生涯を終えることなどを表しています。

3〜5月に全長5〜7cmの大きさで河川を遡上した稚アユは、6〜9月には河川中流域の清流に住み付き、岩盤や石の表面で増える藻類を盛んに食べ成長します。アユの成長には、藻類が付着するための岩盤や石とともに、太陽の光を川底まで通し藻類を増殖させる清流がなくてはなりません。アユは餌の藻類を確保するため、およそ1uの範囲を縄張りとします。良い縄張りを得たアユは成長がよく、時としてサバアユと呼ばれる全長25cmを超えるアユになって釣り上げられることもあります。一方、縄張りを持つことができなかったアユは群れで移動しながら餌を食べ、縄張りアユに比べると成長が悪いものの、9月下旬には全長18cm近くにまで成長すると言われています。秋になると、アユ達は日照時間の減少や水温の低下などを感じ取って急速に成熟して、中・下流域の瀬に集まり、砂礫に卵を産み、その一生を終えます。

水産試験場浜名湖分場がこのようなアユの生活を天竜川で実際に調査したところ、産卵間近の10月初旬時点でアユの全長は、小さい年では13cm、大きい年では 18cmとかなり差があり、また、産卵後ふ化して天竜川を下った仔アユの総量も、少ない年では3億尾、多い年では59億尾と大きな差がありました。

これは、年によっては大雨などのため河川水の濁りが長期化し、アユの餌となる藻類が十分増殖しないなど、環境変化によって、アユの成長や産卵・ふ化などに大きな影響が現れているのではないかと考えられています。今後とも、アユ資源保護のための調査・研究を進めていきたいと思っています。

(水産試験場浜名湖分場 研究主幹 上村信夫)

 

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