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ニジマスの選抜交配 (平成16年6月1日 掲載)

大型魚の供給向上に期待

日本におけるニジマス

日本におけるニジマス

日本におけるニジマス=写真=養殖の歴史は古く、明治10年に米国より卵の寄贈を受けたのが始まりとされています。原産国では多くの釣り人を魚体の美しさと引きの強さで魅了し、また、食味の良さから欧米を中心に各国の食卓で愛されている魚です。

養殖業振興のために昭和8年に開設した富士養鱒場では、養殖技術の開発とともに、業界で望まれる系統の魚を作出するために選抜交配による育種を行ってきました。ある特長を持つ魚を選び出し交配した時、その特長が遺伝すれば、次世代でその特長を持つ子供の割合が増加することが期待できます。選抜交配は、この繰り返しによりその割合を一層高めていくものです。実例として、今から50年前には1、2月であった採卵盛期を、早い時期に成熟する魚を10世代(30年)以上選抜交配を繰り返すことにより、現在では10、11月まで早めることができました。

これ以外にも業界では、春や夏に成熟する、病気に強い、成熟年齢が遅いなどの特長を持つ系統の作出が望まれています。このうち成熟年齢が通常のニジマスより1年遅い4年成熟系について紹介します。水温10℃台の環境では通常満3歳(3kg程度)で産卵しますが、昭和40年生まれの魚の中に満4歳で初めて産卵する晩期成熟個体が出現しました。これを初代親魚として4年毎の選抜交配を行ってきました。この系統の産業上の利点は、3歳時に死亡個体が少なく、また、栄養が成熟に向けられないため肉質が安定することです。現在、飼育中の第11代目の稚魚が、飼育条件が変わっても4年目に成熟するか今後確認を行う予定です。この系統の魚が県内養殖業者に普及することにより、刺身として喜ばれる肉質の安定した大型魚の供給能力が向上するものと期待しています。

現在、各地で「地産地消」の運動が活発になっています。静岡で生産される優れた食材が何かと話題になっている今、多くの人達から70年以上の養殖の歴史と国内有数の生産量を誇る本県ニジマスをすぐに思い浮かべていただけるように、これらの運動と連携して品質の良さをPRしていく必要があると思います。

(県水産試験場富士養鱒場 主任研究員 川合範明)

 

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