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静岡県水産技術研究所


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ヒラメ稚魚生産 (平成16年4月6日 掲載)

ふ化後2-3週間で目が移動

ヒラメ稚魚生産

目が移動し始めた生後20日のヒラメの仔魚

静岡県栽培漁業センターでは、昭和58年からヒラメの漁獲量を増大するため天然海域へ放流するヒラメの稚魚を生産しています。生産量は、この20年間に飛躍的に増大し、昭和58年には全長10〜28mmで約3,200尾だったものが、近年では全長30mm超で40万尾程度になっています。これは、大量の魚を育てることを目的として、魚の状態を詳細に観察しながら、常に技術の改良を行ってきた結果です。今回は、卵からふ化したヒラメ仔魚が浮遊生活から底棲生活へと移行する時期の体の変化を紹介します。

水槽内でのヒラメの産卵は、2月上旬から6月上旬までの主に夜間に行われます。ヒラメの卵は、直径約0.9mmで1粒ずつばらばらの状態で水面近くに浮いています。卵は、水温15℃前後では2日間でふ化し、全長約3mmの透明な体をした仔魚が姿を現します。親の姿は眼の位置が「左ヒラメに、右カレイ」と言われ体側の片側にありますが、仔魚は良くみられる魚と同じく左右相称です。また、遊泳能力は微弱ですが漂うように泳ぎます。飼育下では2〜3週間で眼が移動する兆候がみられるようになります。写真に示した仔魚は、ふ化後20日のもので、腸管がねじれ右眼が背中側に移動し始めています。この頃になると、水槽の底に張り付くような行動が観察できるようになります。さらに1〜2週間ほど飼育を続けると、全長10mmを超え多くの個体で眼が左側に移り、親とほぼ同じ形になり、水槽の底に張り付いている時間が長くなります。7〜8週間飼育し全長30mmを超える頃には、外見的な様々な特徴が親とほぼ同じになりますが、人工的に飼育していると眼の有る側の体色が白いヒラメや眼の無い側の体色が黒いヒラメなど、天然ではほとんどみられない魚がみられることがあります。これは、飼育中の餌の栄養バランスが悪い場合や飼育環境が整っていないことなどが原因と考えられています。また、一度に大量の魚を生産すると病気になってしまうこともあります。天然魚に近い良質の稚魚を大量に生産するためには、まだまだ解決しなければいけない課題がたくさんあります。

(県水産技術研究所研究主幹 近藤 優)

 

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