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アサリを食べる生物たち (平成19年9月4日 掲載)

アサリを食べる生物たち

カニに食害されたアサリ(左上)とガザミ(同下)、ツメタガイに食害されたアサリ(右上)ツメタガイ(同下)

アサリは浜名湖内の全漁獲量の約90%を占める重要魚種ですが、最近では湖南部の好漁場の消失や、主要な漁場の湖奥側への移動などの変化が起きています。水産試験場では、外海水の流入量が近年増大し潮流が強くなったことにより、稚貝の着底が阻害されているのではないかと考えて調査を行っていますが、ツメタガイなどアサリを食害する生物の影響も大きいと考えています。そこで今回は、どのような生物がアサリを食べているのかを紹介します。

巻貝で代表的なものは、アサリの貝殻に穴をあけて食べるタマガイの仲間のツメタガイやサキグロタマツメタガイなどです。他には浜名湖に多いアカニシもアサリを食べますし、ウミウシのような形をしたキセワタガイもアサリの稚貝を食べます。海域によってはタマガイ類以上にアサリの害敵として問題となるのはカニ類です。特にガザミやイシガニなどのワタリガニ類の食害は激しく、ガザミは1日に約百個のアサリを食べることもあるそうです。マダコもアサリをよく食べますが、マダコが大発生した年にマダコの多い湖南部で大型アサリが多い現象がみられました。その年はワタリガニ類の漁獲量が過去最低であったことから、アサリよりもカニ類を好むタコが大発生したためカニ類が減少し、カニ類によるアサリの食害が少なくなったためとも考えられます。大型のヒトデ類もアサリを食害するため、ヒトデが増えた年には漁業者による駆除が行われています。魚類ではアカエイがアサリをよく食べますし、鳥類のカモ類にもアサリを好んで食べる種類がいます。

このようにアサリは多くの生物の食害を受けますが、浜名湖南部でアサリが大発生していた昭和50年頃にはガザミなどのカニ類も現在の何倍も獲れていました。つまり生息に適した環境であれば食害生物が多くてもアサリは大発生できるということで、浜名湖のアサリを増やすためには、かつてのような浜名湖の漁場環境を取り戻すことが課題といえるでしょう。

(県水産技術研究所伊豆分場主任 御宿昭彦)

 

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