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ブルークラブ (平成14年10月7日 掲載)

浜名湖で過去に採集例

ブルークラブ

ブルークラブ(Life in the Chesapeake Bayより引用)

今回は、日本人にはちょっとなじみはありませんが、海外に生息するワタリガニの一種であるブルークラブについて紹介します。ブルークラブは北アメリカ大西洋岸に分布するカニで、日本のガザミによく似ています。雄のお腹は逆T字形で、はさみの内側と足が淡青色なところからガザミと区別でき、日本名では「アオガニ」と呼ばれています。脱皮したてのソフトシェルと呼ばれる甲の軟らかい個体を食用にすることでよく知られています。

脱皮直後のカニを丸ごと食べる習慣は日本ではなじみがありませんが、アメリカ人は好んで食します。ちなみに、揚げたソフトシェルのサンドイッチを食べたことがありますが、その味はなかなかのものでした。大西洋に生息するこのカニが、1975年と1991年に浜名湖で合計4個体採集されたことがあり、話題となりました。浜名湖以外では大阪湾でも採集された例があります。この原因として、汽船や潜水艦のバラストタンクによって幼生が大西洋岸から運ばれてきた可能性があると言われています。ブルークラブの主生産地はアメリカのチェサピーク湾で、その漁獲量は世界のブルークラブの漁獲量の約半分を占めています。1993年には52,180トンを記録しました。静岡県のガザミ類の漁獲量が約20トン、日本全体でも約3,000トンであるのと比べると莫大な量であることがわかります。しかし、2000年には60%以上も減少し21,270トンとなるなど、ここ10年で大幅に減少しています。

漁獲量の回復を目指して、チェサピーク湾沿岸のメリーランド、バージニア、ノースカロライナにいる研究者達が集まり、ブルークラブの研究・開発プログラムが最近始まりました。このプログラムの主な目的は、

1.ブルークラブの生物学的基礎をより知ること

2.ブルークラブの効率的な飼育技術を開発すること

3.チェサピーク湾におけるブルークラブの栽培漁業の可能性を十分に評価すること

の3点だそうです。研究者の代表数名が浜名湖など日本の数カ所を来訪し、ガザミの栽培漁業について視察したり、国際ワークショップを開催して世界からの情報を収集したり、ブルークラブ資源の回復に情熱を燃やしています。このように地球の裏側でも、栽培漁業の取り組みが行われています。

(県栽培漁業センター主任研究員 岡本一利)

 

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