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ウナギ (平成14年8月5日 掲載)

仔魚の育成が課題

ウナギ

ウナギふ化仔魚

土用の丑にはウナギをと言われるように、夏には蒲焼がよく似合います。今や日本人が1年間に食べるウナギの量は、15万トンにも達しています。ウナギは100年以上昔から養殖され、日本の食文化に欠かすことができないものとなっています。

しかし、その養殖されているウナギは、もともとすべて天然のシラスウナギを育てたものであることをご存知でしょうか。人の手によりウナギの卵をかえして生まれた赤ちゃん(ふ化仔魚:写真)を育てることは、残念ながらまだできないのです。ですから、秋から冬に河口に寄ってくる天然のシラスウナギを捕まえて、それを養殖用の種苗にしているのです。

水産試験場浜名湖分場では1962年からウナギに卵を産ませ、ふ化させることを試みてきました。ウナギは何年飼育しても自然に卵を持つことはありません。そこで、性成熟を促すホルモンを投与して卵や精子を得る方法を試み、1974年に初めてふ化に成功しました。現在では産卵に関係するホルモンを使用することにより多数の卵を得ることができるようになりました。近年、水産庁の養殖研究所がサメの卵の乾燥粉末を餌として与えることにより、ウナギの仔魚を250日間飼育し、レプトケファルス幼生(シラスウナギになる前の幼生、全長30mm)まで成長させることに成功しました。しかし、レプトケファルス幼生まで飼育できた例は極めて少なく、未だシラスウナギまで成長した例はありません。その理由として、親ウナギに多量のホルモンを投与するため、卵の質が安定しないことや、天然のウナギの仔魚が何を食べているのか知られていないため、仔魚に与えるべき適正な餌が未だに分からないこと等が考えられます。

良質な卵の確保、最適な飼育環境の維持、適正な餌料の開発は仔魚を健康に育てるための欠くことのできない要件となっています。今後も養殖種苗となるシラスウナギまでの飼育を目指してこれらの研究を進めていきたいと思います。

(県水産試験場浜名湖分場技師 飯沼紀雄)

 

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